東電旧経営陣3人 無罪判決に表情緩む、傍聴席からはどよめき

東京電力福島第1原発事故で強制起訴された勝俣恒久元会長(79)ら旧経営陣3人は19日、無罪判決を言い渡されると裁判長に一礼し、緊張した表情を少し緩めた。一方、傍聴人からは「ええー」「うそ」と、どよめきや不満の声が上がった。
3人は午後1時すぎに入廷。証人席の前に立つよう裁判長に促されると、勝俣元会長は軽く息を吐き一礼。武黒一郎元副社長(73)と武藤栄元副社長(69)も硬い表情で並んで立ち、無罪判決にそろって頭を下げた。
津波の予見可能性を否定する判決内容に、検察官役の指定弁護士を務めた神山啓史弁護士は不満げな顔で目を閉じた。
一方、勝俣元会長らは最後まで表情を崩さなかった。「結果は誠に重大で取り返しがつかない」。裁判長の言葉を神妙な面持ちで聞いた3人。言い渡しが終わり、傍聴席から抗議の声が上がる中、軽くおじぎし法廷を後にした。
この日は45席分の傍聴券を求め835人が行列。法廷に入れず地裁前で見守った原発事故の避難者らは、無罪の一報に「なぜ」「ふざけるな」と怒りの声を上げた。
「不当判決」と書かれた紙を掲げた避難者の宇野朗子さん(47)は「信じられない。すぐには受け止め切れない」と悔しそうにつぶやき、涙を何度もぬぐった。原発事故をめぐる民事訴訟の原告で福島県郡山市から避難している森松明希子さん(45)は「司法が死んでいることが証明された。世界中に恥ずかしい」と、不満を爆発させた。