カネ欲しさに見知らぬ女性を拉致・殺害…「死刑囚」の生い立ちを追って 名古屋闇サイト殺人事件が映画化

インターネット上の掲示板「闇の職業安定所」で知り合った3人の男が、金ほしさに1人の女性の命を無惨に奪った「名古屋闇サイト殺人事件」。 ドキュメンタリーとドラマで事件の真相に迫る映画『おかえり ただいま』(制作:東海テレビ)が9月19日から東京・ポレポレ東中野のほか、全国で順次公開される。 監督・脚本を手がけた齊藤潤一監督(東海テレビ)に話を聞いた。(編集部・吉田緑) ●「名古屋闇サイト殺人事件」とは 事件が起きたのは、2007年8月24日。帰宅途中の磯谷利恵さん(当時31歳)が愛知県名古屋市の路上を歩いていたところ、3人の男に車で拉致され、金品を奪われたうえにハンマーで殴られるなどして殺害された。遺体は山中に遺棄された。 加害者3人はインターネット上の掲示板「闇の職業安定所」で知り合い、強盗の計画を立て、ターゲットは「若くて貯金をしていそうな地味なOL」にしようと話していた。利恵さんからは現金約6万円とキャッシュカードなどを奪い、暗証番号を聞き出した後に殺害したが、口座から預金を引き出すことはできなかった。 利恵さんは加害者3人に嘘の暗証番号「2960(ニクムワ=憎むわ)」を教えていた。「母に家を建てる」という夢を持っていた利恵さんは800万円以上の貯金をしており、最後まで預金を守り抜いたのだ。 事件後、加害者の1人である川岸健治受刑者が自首したことで事件が発覚。残る2人も逮捕された。 事件は大きく報道され、犯行の凶悪さや「闇サイト」の存在が話題となった。また、加害者3人の量刑をめぐって議論も巻き起こった。 2009年4月13日、加害者の1人である神田司元死刑囚の死刑が確定。2015年6月25日に刑が執行された。 そして、2011年4月25日に川岸受刑者、2012年7月11日に堀慶末死刑囚の無期懲役がそれぞれ確定した(堀死刑囚は後に別の強盗殺人の余罪が発覚し、2019年7月19日に死刑が確定)。 ●「胸のつかえを感じていた」 東海テレビは事件発生直後から利恵さんの母・磯谷富美子さんの取材を続け、2009年4月に3人の犯罪被害者遺族を追ったドキュメンタリー『罪と罰~娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父~』を放送した。 番組では「娘を奪われた母」である富美子さんが加害者3人に死刑を求め、30万人の署名を集めた様子などがうつし出された。 ほかにも、名古屋保険金殺人事件で「弟を失った兄」として死刑制度に疑問を抱く原田正治さんや、集団リンチ殺人で「息子を殺された父」として死刑を求めながらも葛藤する江崎恭平さんにもスポットライトを当てた。
インターネット上の掲示板「闇の職業安定所」で知り合った3人の男が、金ほしさに1人の女性の命を無惨に奪った「名古屋闇サイト殺人事件」。
ドキュメンタリーとドラマで事件の真相に迫る映画『おかえり ただいま』(制作:東海テレビ)が9月19日から東京・ポレポレ東中野のほか、全国で順次公開される。
監督・脚本を手がけた齊藤潤一監督(東海テレビ)に話を聞いた。(編集部・吉田緑)
事件が起きたのは、2007年8月24日。帰宅途中の磯谷利恵さん(当時31歳)が愛知県名古屋市の路上を歩いていたところ、3人の男に車で拉致され、金品を奪われたうえにハンマーで殴られるなどして殺害された。遺体は山中に遺棄された。

加害者3人はインターネット上の掲示板「闇の職業安定所」で知り合い、強盗の計画を立て、ターゲットは「若くて貯金をしていそうな地味なOL」にしようと話していた。利恵さんからは現金約6万円とキャッシュカードなどを奪い、暗証番号を聞き出した後に殺害したが、口座から預金を引き出すことはできなかった。
利恵さんは加害者3人に嘘の暗証番号「2960(ニクムワ=憎むわ)」を教えていた。「母に家を建てる」という夢を持っていた利恵さんは800万円以上の貯金をしており、最後まで預金を守り抜いたのだ。
事件後、加害者の1人である川岸健治受刑者が自首したことで事件が発覚。残る2人も逮捕された。

事件は大きく報道され、犯行の凶悪さや「闇サイト」の存在が話題となった。また、加害者3人の量刑をめぐって議論も巻き起こった。
2009年4月13日、加害者の1人である神田司元死刑囚の死刑が確定。2015年6月25日に刑が執行された。
そして、2011年4月25日に川岸受刑者、2012年7月11日に堀慶末死刑囚の無期懲役がそれぞれ確定した(堀死刑囚は後に別の強盗殺人の余罪が発覚し、2019年7月19日に死刑が確定)。
東海テレビは事件発生直後から利恵さんの母・磯谷富美子さんの取材を続け、2009年4月に3人の犯罪被害者遺族を追ったドキュメンタリー『罪と罰~娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父~』を放送した。
番組では「娘を奪われた母」である富美子さんが加害者3人に死刑を求め、30万人の署名を集めた様子などがうつし出された。

ほかにも、名古屋保険金殺人事件で「弟を失った兄」として死刑制度に疑問を抱く原田正治さんや、集団リンチ殺人で「息子を殺された父」として死刑を求めながらも葛藤する江崎恭平さんにもスポットライトを当てた。