インフルワクチン接種始まる 厚労省「高齢者優先」 小児科医「子どももハイリスク」

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、インフルエンザの予防接種が1日、全国の医療機関で始まった。今年は希望者が例年より多いと見込まれ、厚生労働省は重症化リスクの高い高齢者を優先するよう求めているが、小児科医らは「子どももハイリスクで、遅らせるべきではない」と指摘している。
新型コロナとインフルエンザの初期症状は区別が付きにくい。新型コロナの感染が拡大し患者が殺到すると、インフルエンザ患者も適切な治療を受けられなくなることも懸念され、今期はインフルエンザワクチンの需要増が見込まれる。
厚労省は、過去5年で最多の約6300万人分のワクチンを供給する予定。ただ、希望者が殺到すると一時的に不足する可能性があり、60歳以上の心臓などに障害のある人や65歳以上の高齢者を優先し、それ以外の人は26日以降の接種を求める方針を9月に示した。
一方、子どもへの接種を1日から始めた医療機関もある。有明みんなクリニック有明ガーデン院(東京都江東区)もその一つで、多くの親子連れが来院。次女(5)に付き添った会社経営の暢創(きょうそうそう)さん(39)は「新型コロナとの同時流行が心配。今年は家族全員が接種をするつもりだ」と話した。1日から子どもへの接種を始めた理由について、小暮裕之院長は「密を防ぐため予約人数を減らしており、開始の時期を遅らせれば、ワクチンを受けられる子どもがさらに減ってしまう」と説明する。
日本小児科医会の林泉彦(もとひこ)業務執行理事は「乳幼児も例年通りの時期に受けた方がよい」と話す。「インフルエンザ脳症のリスクがある」(同医会)ためだ。
インフルエンザのワクチンは、日本では13歳未満は1シーズンに2回接種することとされている。一方で世界保健機関(WHO)などは「9歳以上は1回、9歳未満も前年に接種していれば1回」を推奨する。日本小児科学会は8月、ワクチン不足を回避するため厚労省に「接種回数を減らし、ワクチンを効率的に使い切るための方策をお願いしたい」と求めた。【御園生枝里、小川祐希】