政府の観光支援事業「Go Toトラベル」の対象に東京発着の旅行が加わって3日、初の週末を迎えた。東京都内の駅や観光地ではコロナ禍の中、久々の遠出に、期待と不安を抱く人たちの姿が見られた。
旅行代金の半額分を補助する「Go Toトラベル」を巡っては、東京都内で新型コロナウイルスの感染が拡大していたことから、7月の開始時から東京を除外。ただ、政府は都内の感染状況の警戒レベルが9月に引き下げられたことなどを受け、10月1日から東京も対象に加えた。
JR東京駅の新幹線ホーム。家族5人で箱根旅行に出かける都内在住の男性会社員(42)は「やっぱり気分が違いますね」と久しぶりの遠出に声を弾ませた。新型コロナの影響で7月は予約した旅館もキャンセルしたが、「キャンペーンに東京が追加され、割安で宿泊施設を予約できた。今後もキャンペーンが使えるうちは使いたい」と話した。
山口県の息子一家の引っ越しの手伝いに行く東京都小金井市の農業、鈴木洋子さん(60)は「孫に会うのも約10カ月ぶり。喜びだけでなく感染への不安もあり、除菌グッズをたくさん持ってカバンが重い」と話した。
東京スカイツリー(墨田区)は、朝から家族連れなど大勢の観光客でにぎわった。キャンペーンを利用して大阪市から夫婦で訪れた竹林幸三さん(69)は「旅行も自粛で、近くの公園にしか出かけられず、旅行できるのをずっと待っていた。スカイツリーにずっと来てみたかったので、今日は気持ちが良い」と話した。【林田奈々、待鳥航志】