オープンから20年超、だれも気付かず…展示のエイは「新種」だった

鹿児島市のかごしま水族館が「トンガリサカタザメ」として20年以上展示してきたエイの一種が、新種だったことが分かった。腹側から見ると、死に装束で頭に付ける三角形の布「天冠」のように見えることから「モノノケトンガリサカタザメ」と命名。9月20日付の日本魚類学会の学術誌で発表された。
同館では、開館した1997年から、鹿児島県内の定置網で捕獲した複数の「トンガリサカタザメ」を飼育してきた。
トンガリサカタザメの特徴とは違う個体が存在することに同館や鹿児島大などの研究グループが気付き、頭の先が丸みを帯びている点や、頭部の腹側に黒色の丸模様があることなどから、新種と突き止めた。
かごしま水族館の吉田明彦・魚類展示係長は「開館当初から展示され、誰も違う種と疑わなかった。勉強不足で反省している。鹿児島が豊かな海に恵まれていることを痛感しました」と驚いた。