神奈川県座間市のアパートで2017年に9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交等殺人罪などに問われた白石隆浩被告(29)の裁判員裁判は8日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で、2人目の被害者とされる群馬県邑楽(おうら)町の女子高生(当時15歳)の事件の審理に入った。検察側は、新学期の予定を立てていたことなどから「娘が自殺しようとしていたとは思わない」とする母の調書を読み上げた。
検察側の示した調書などによると、女子高生は17年8月26日にツイッターに自殺願望を投稿し、白石被告とつながった。夏休みの宿題ができていないことを母からしかられたが、27日は2人で音楽のライブに行き「また来たい」と言い合って帰宅した。だが、始業式の28日、学校を休んで白石被告の元へ向かい、同夜に殺害されたとみられる。
母は仕事を休んで、確認された足取りを追って娘を捜した。現場のアパート前も歩いており、調書では「(娘が)『ここだよ』と一生懸命呼びかけていたかもしれないのに」と悔しさを吐露した。
女子高生は母への誕生日プレゼントを考え、友人と遊びに行く予定も立てており、母は「娘が自殺するとは思えない。大学生になった娘と恋愛話をしたかった。結婚式も、孫の顔を見ることもできない。死刑にしてほしい」と述べていた。
前日に続いて被告人質問もあり、白石被告は、最初の被害者とされる神奈川県厚木市の女性(当時21歳)について「一緒にいた時間が長かったので、ひどいことをしたと後悔している」と述べた。殺害の動機は、女性から長期的に金を受け取るのが難しいと判断したことだとして、「迷って迷って殺すことにした」などと説明した。
一方、裁判官から「9人全員に殺害の承諾がないと思っているのか」と尋ねられると「正直分からない」と述べた。この後の検察側の質問には前日同様、全員に承諾はなかったと答えた。【林田奈々、安達恒太郎】