豪雪地帯の橋が「腐食」で全面通行止め…迂回路は狭い峠道、住民悲痛

山形県飯豊町小坂の白川湖にかかるアーチ橋「中津川橋」は、橋を支えるケーブルに腐食が見つかり、全面通行止めが1か月以上続く。同町中津川地区と町中心部を結ぶ主要ルートにあり、

迂回
( うかい ) 路は幅が狭い峠道しかない。橋を管理する山形県は、12月中旬までに片側交互通行を可能とする仮復旧案を示すが、全面復旧のメドは立っていない。降雪期を控え、住民らは不安を募らせている。(内田健司)
「破損しているガードレールを何とかしてほしい」「山道走行でのライト点灯を促してほしい」――。
中津川体育館(飯豊町下屋地)で7日夜に開かれた県と町による住民説明会。集まった約120人の住民からは、迂回路の危険性を訴える悲痛な声が上がった。
県置賜総合支庁長や町長らが立ち会い、会場には国会議員や県議、町議らも駆けつけた。
県側は、12月中旬までに仮復旧する考えを繰り返し強調。町側は、公立置賜総合病院や川西町への買い物に行き来する町有ワゴン車の無料運行や、住民票などの受け付けを地区公民館で始めると説明した。
木材などの運搬業者からは、仮復旧では原則4トン以下の車両しか通行できないため、「仕事にならない。20トン車も通してほしい」などの要望も上がった。
県の担当者は「様々なご不便をかけるが、今後の調査結果も見ながら判断し、一日も早く開通させたい」と理解を求めた。

中津川橋は1973年に白川ダム整備の一環で国が建設し、県が管理している。長さ234・8メートル、幅6・5メートルで、湖面から約30メートルの高さにある。
橋のうち181・6メートルは橋脚がなく、上部のアーチ部分から80本のケーブルで橋桁をつるす。車が通行できる橋としては、県内唯一の特殊な構造という。
5年に1度の定期点検が昨年行われ、ケーブルの緩みが判明。今年8月に詳しく調べたところ、数か所で腐食が確認された。切断すれば橋が落下する危険があり、県は、同月28日から全面通行止めとした。

中津川地区には8月31日現在、108世帯238人が暮らす。白川温泉白川荘や源流の森センター、農家民宿などの観光施設もある。
現在、町の中心部へは、主に川西町を経由する菅沼峠を使う。カーブが連続し道幅も狭い山道で、所要時間は20分以上多くかかる。
県は路肩に白線を引き、仮設の照明灯を設置するなど安全確保に努めている。
町も10月から中津川地区限定で宿泊施設や飲食店などで使えるクーポンを発行するなど支援に力を入れる。
しかし、付近は県内有数の豪雪地帯であり、民宿を経営する男性(81)は「菅沼峠の道路改修を計画的に進め、中津川橋を一日でも早く安心して通れるように直してほしい」と訴えている。
山形県は、本復旧までの総事業費を約16億円と見込んでいる。