2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、公職選挙法違反に問われた元法相の衆院議員、河井克行被告(57)の妻で初当選した案里被告(47)の公判が13日、東京地裁(高橋康明裁判長)で開かれ、克行議員が海徳裕志・広島市議(60)に現金を渡したとされる際の録音データが再生された。克行議員とされる人物が「これ、気持ちですから」と声を掛けていた。
証人出廷した海徳市議は、克行議員から19年3月下旬に現金30万円、6月1日に現金20万円を受け取ったと証言。録音は2回目の現金受領時のデータとされ、克行議員とされる人物は「県連が何もやってくれないから助けて」「河井克行は嫌いかもしれないけど、案里はかわいがって」などと発言した。その後に海徳市議とされる人物が「よっぽど金があるんじゃのー。絶対1億、2億はきとるで、安倍(晋三・前首相)さんかどっかから」と家族に話す様子も記録されていた。
海徳市議は法廷で、1回目の現金受領時、克行議員に「総理から」と言われて現金を渡されたと証言。過去に克行議員からどう喝されたことがあったため、2回目のやりとりをICレコーダーで録音したと説明した。証言を聞いた案里議員は号泣し、海徳市議に「主人のご無礼、許してください」と頭を下げた。
また、高山博州・広島県議(67)は、音声と映像を広島地裁とつなぐ「ビデオリンク方式」を使って証言。19年4月20日に克行議員から現金30万円入りの封筒を受け取り、5月24日に案里議員に「旦那さんが持ってきた封筒を持って帰ってくれ」と返そうとしたが、「人格が違うので受け取れない」と拒否されたとした。公判では年齢や健康状態を考慮し、証人尋問の一部がビデオリンク方式で行われる。【遠山和宏】