独立行政法人「地域医療機能推進機構」(東京)の医薬品発注を巡る談合事件で、東京地検特捜部と公正取引委員会の家宅捜索を受けた医薬品卸大手4社の幹部社員らが、2018年6月に行われた入札の直前に複数回、会合を開いて受注調整をしていたことが関係者への取材で判明した。東京地検特捜部は、14年の入札で決まった各社の受注枠に沿うよう調整していた疑いがあるとみて追及する。
関係者によると、受注調整を担当していたのは営業担当の部長クラスの社員らで、18年5月25日に入札が公告されてから6月18日の入札日までに複数回、4社で貸会議室に集まり協議した。同年の入札では、それまで別々に発注されていた注射薬と内服・外用薬が統合されたが、発注総額約739億円の約21%をメディセオ(東京都中央区)とアルフレッサ(東京都千代田区)、約25%をスズケン(名古屋市)、約31%を東邦薬品(東京都世田谷区)が落札した。
機構が発足し、入札が始まった14年(発注総額約857億円)も各社は同じ割合で受注しており、特捜部は、14年に始まった談合が16、18年の入札でも継続していたとみている模様だ。
また、一部の社が受注調整の理由を「薬の安定供給には設備投資が不可欠で、一定の利益を確保したかった」と説明していることも明らかになった。後発医薬品(ジェネリック)の市場シェアが05年の32・5%から18年には72・6%に上がり、薬を安定供給するための在庫管理費や、物流のための設備投資費が増大。利益確保のため、実質4社しか参入できない入札形態を悪用した疑いがあるという。
薬価は原則2年に1度、医薬品卸業者が医療機関に納入する市場実勢価格を基に引き下げなどを決める。談合により納入価格が高止まりし、薬価の引き下げ幅が少なくなった可能性がある。【志村一也、山崎征克】