子供がSNSを通じて性犯罪の被害に遭うのを防ごうと、石川県警がツイッター上の不適切投稿への対応を強化している。児童買春などにつながる恐れのある投稿をチェックし、投稿者に直接メッセージを送って注意喚起することで、被害を未然に防ぐ考えだ。
(禰宜雄一)
「今日北陸で会える方いませんか」「優しいパパさん募集しております」
ツイッター上には、金銭をもらってデートなどをする「パパ活」を呼びかける投稿が多数並んでいる。
県警人身安全・少年保護対策課(旧・少年課)では昨年8月、ツイッターのアカウントを開設して運用を始めた。同課の少年警察補導員は日頃、「#パパ活」や「#円」などのハッシュタグから、援助交際などに発展する可能性のある投稿を探すサイバーパトロールを続けている。
こうした書き込みを発見した場合、投稿者に「このツイートは児童買春などの被害につながるおそれがあります」と返信。「見ず知らずの相手と会うことは、誘拐や殺人などの重大な事件に巻き込まれるおそれのある大変危険な行為です」と注意を呼びかけている。
また、大人が子供を誘い出そうとする投稿に対しては「児童買春や児童ポルノの製造等の子供への性犯罪は、子供の人権を著しく侵害する極めて悪質な行為です」と警告を続けている。
県内で今年、SNSがきっかけとなって子供が犯罪に巻き込まれたケースは14件(8月末時点)に上る。内訳は、いしかわ子ども総合条例違反が6件、児童買春・児童ポルノ禁止法違反が6件で、強制性交などの被害もあった。捜査幹部は「匿名で簡単に人とつながることができるSNSは、こうした犯罪の温床になっている」と指摘する。
県警ではこれまでも、ツイッター上の不適切投稿に対し、投稿者を特定して補導するなどの「サイバー補導」を実施してきたが、特定に時間がかかり、対応に限界があったという。
一方で、メッセージで注意喚起する方法について、同課は「より効率的で、広く対応できる」と説明。運用開始の昨年8月から今年9月までに、134件(児童83件、児童誘引51件)の注意喚起を行い、うち117件で投稿の削除やアカウントの停止につながった。
県警は、学校での防犯講習や携帯電話会社と協力した非行防止教室でも、継続してSNSの危険性を伝えている。同課の村田和生次席は「関係機関と協力し、一人でも児童が被害に遭わないようにしたい。家庭でもSNSの利用に関するルールを作るなどして対応してほしい」と呼びかけている。