札幌市で2019年6月、当時2歳の池田詩梨(ことり)ちゃんが衰弱死した事件で、傷害致死と保護責任者遺棄致死の罪に問われた母親の元交際相手、藤原一弥被告(25)に対し、札幌地裁の裁判員裁判は16日、傷害致死罪ではなく傷害罪を適用し、懲役13年(求刑・懲役18年)の実刑判決を言い渡した。石田寿一裁判長は「誠にむごく悪質で、児童虐待事案の中で最も重い部類に位置づけるのが妥当」と述べた。
弁護側は、暴行は母親の池田莉菜被告(22)=保護責任者遺棄致死罪で起訴=によるもので、保護責任者にも当たらないと無罪を主張していた。
判決によると、藤原被告は19年5月15日~6月5日ごろ、札幌市中央区の自宅で詩梨ちゃんの頭を多数回殴る暴行を加え、頭部全体に皮下出血などのけがをさせた上で、池田被告と共謀し、治療を受けさせず放置して衰弱死させた。
判決は藤原被告の暴行を認定したが、死に至るほどのけがをさせたとは「断定できない」として傷害罪にとどまると判断した。保護責任者遺棄致死罪については詩梨ちゃんと同居していた事情などから成立するとした。その上で、「助けを求められないまま孤独の中で衰弱死した過程は哀れだ」と指摘した。
札幌地検の原山和高次席検事は「判決内容を検討した上で適切に対応したい」とのコメントを発表した。弁護側の代理人弁護士は控訴について「まだ話せない」としている。池田被告の初公判は11月2日に札幌地裁で開かれる。【土谷純一】