静岡県の川勝知事は16日、政府による日本学術会議の会員候補6人の任命拒否問題を巡って、「(菅首相の)教養レベルが露見した」などとした自身の発言を撤回した。この日、県議会最大会派の自民改革会議から抗議を受けた後、記者団に対し「学問を大切にしなければいけないと言ったが、学歴の部分が表に出て県民に心配された。学歴差別と捉えられて本当に申し訳ない」と謝罪した。
川勝知事は今月7日の定例記者会見で、任命拒否問題について問われた際に菅首相を名指しし、「おかしなことをした」「学問をされた人ではない。単位取るために大学を出た人」と述べた。この発言が報道されると、インターネット上で川勝知事に対する批判の声が相次いだ。波紋が広がっていた12日は、「(発言を)訂正する必要は全くないと思っている」と明言した。
自民の中沢公彦代表らは16日、川勝知事に発言撤回を求める抗議文を提出した。この中で、「個人への侮辱、
誹謗
( ひぼう ) 中傷及び学歴への差別とも取れる発言」であり、「これらの発言は公人として、教育者としてふさわしくない」と指摘した。
川勝知事はその後、記者団の取材に応じた。任命拒否の経緯について、「基本的な事実認識が誤っていた」と釈明し、「学歴差別に捉えられて本当に申し訳ない」と謝罪した。その一方で、任命拒否に対しては、「理由が明らかでない」として批判的な立場を変えないことを強調した。
県によると、一連の発言に対し、15日までに県のホームページなどに計1238件の意見が寄せられた。このうち8割超が「学歴差別だ」といった批判的な意見という。
川勝知事は昨年、県の事業見直しを求めた自民を念頭に、「ごろつき」「反対する人は県議の資格はない」と発言。抗議を受けた後の今年2月の県議会定例会で「発言を撤回します。ごめんなさい」と謝罪し、「今後、不適切発言はしない」としていた。
短期間で再び発言の撤回、謝罪に至ったことになる。川勝知事は「弱い者をいじめないのが原則だが、権限、権力を持つ人には間違っていると思えばはっきり言う」と話した。