持続化給付金の不正受給 自首で罪は軽くなる? 最高で懲役10年、「お金を返したい」相談相次ぐ

新型コロナウイルス対策で個人事業主に最大100万円を支給する国の持続化給付金をめぐり、不正な申請をした人や関係者が警察に自首したり、「金を返したい」と全国の消費生活センターなどに相談するケースが相次いでいる。捜査当局に自首することで罪は軽くなるのか。
持続化給付金は今年1月以降、前年同月比で売り上げが50%以上減少した月があった場合、中小企業などに200万円、個人事業主には100万円を上限として支給される。中小企業庁によると、今月12日までに約354万件、計約4兆6000億円が給付されており、その約7割は申請から2週間以内に給付が完了している。
一方で不正受給も横行、給付金を受給した本人や家族らから「不正受給に当たらないか」などとする相談が14日時点で全国の警察に約1600件寄せられている。
警察庁の松本光弘長官は15日の定例記者会見で「刑事事件として取り上げるべきものがあれば、厳正に対処する」と述べた。同庁によると、14日までに不正受給により計47人が摘発されている。
全国の消費生活センターにも9月末までに少なくとも173件の相談が寄せられ、年代が判明した分では大半が10~20代の若者だった。SNSなどを経由して元締めから不正の手口を教わり、給付金を受けたら元締めに手数料を支払う仕組みが横行しているようだ。
国は不正受給者に返金手続きを取るよう呼び掛けている。不正の自己申告がなく国の調査で発覚した受給者には2割増しの額の返還を求める。
詐欺罪の量刑は最高で懲役10年だ。高橋裕樹弁護士は「起訴されれば最低でも執行猶予ということになる。ただ、件数も多いので、国に返還すれば起訴に持ち込むケースは少ないのではないか」との見解を示す。
沖縄タイムス社は先月、同社の男性社員が持続化給付金を虚偽申請し、100万円を不正受給したと発表した。男性社員は警察に出頭、給付金の返還手続きを進めているというが、同様に警察に自首または出頭する動きも目立っている。
高橋弁護士は「国が不正受給に気付けば、捜査機関に出向いても『自首』ではなく、『出頭』扱いになる。初犯の場合、大きな違いはないが、前科があれば減刑を受けられず実刑の可能性もある。心当たりがあるならすぐにでも自首するべきだ」と語る。
早々に観念するに越したことはない。