毎月決まった料金を支払うと、金額以上の商品を利用できるサブスクリプション型ビジネス。AmazonプライムやNetflix、dマガジンなど、さまざまなサブスクサービスが乱立し、多くの人たちが利用するようになりました。
そんななか、JR東日本ウォータービジネスが10月1日から自販機のサブスクサービス「every pass(エブリーパス)」をスタートさせるそうです。昨今のサブスク化の波はいたるところで感じられましたが、ついに自販機までもサブスク化ですよ。まあ、飲料系はスーパーなんかでも格安で販売されていたり、コンビニコーヒーが台頭していりするので、自販機の売上って押されていたんだろうなと。そんな危機的状況をサブスク化で打破したいという思惑が見えてくるような気がします。
さて、同サービスのリリース自体はすでに発表されているのでゴチャゴチャと詳しく書くのではなく、サービスのポイントだけ抜き出してご説明しましょう。
[POINT 1]専用アプリのQRコードを専用自販機「イノベーション自販機」にかざして使う
[POINT 2]料金は同社オリジナルブランド「acure made(アキュアメイド)」だけを受け取れる「月額980円(アキュアメイドプラン)」、他メーカーの商品も受け取れる「月額2480円(プレミアムプラン)」の2種類
[POINT 3]サービス利用は1日1回
[POINT 4]イノベーション自販機の設置場所はJR東日本エリアの駅で約400台(※9/2発表のリリースより)
[POINT 5]サービス利用は9/2~9/16までの応募者に対する抽選の当選者500人が対象
これらのポイントを見てみると、抽選制なので誰でも利用できるというわけではないし、専用自販機を使うには駅に出かけないといけないなど、結構ユーザーを選ぶな~という印象です。おそらく、メインユーザーというか、サービスの利用価値がある人は、筆者のようなフリーランスとか主婦ではなく、通勤で駅を頻繁に利用するビジネスマンになるんじゃないかと。あと、一般的なビジネスマンの場合で、1カ月で20日間出勤したと仮定すると、「アキュアメイドプラン」で49円/回、「プレミアムプラン」で124円/回となります。アキュアメイド好きならお得ですが、他メーカーのドリンクを飲みたい人はそれなりの料金だなという気がするんです。
とはいえ、ビジネスマンで毎日のように自販機を利用している人には利用価値はありますし、このサービスをきっかけに一般的な飲料メーカーが参入してくる可能性もゼロじゃないでしょう。というか、普通に街中にある一般メーカーの自販機がサブスク化されたら、かなり需要がありそうじゃないですか。キリンさんやアサヒさん、どうでしょうかね。
なんだかんだ言いましたが、サブスクサービスは〝100%〟ではなく、刺さる人には刺さるというのが最大のメリットだと思うので、こういう新たなサービスジャンルがどんどん登場することは歓迎すべきことだと思います。そして、昨今のサブスク化の波は自販機だけに止まらず、「こんなものまで!」というジャンルに及んでいて、知らないと損しているという人は多いのではないでしょうか。
そこで、最近話題を集めていて、筆者がおもしろいなと思ったサブスクサービスをご紹介しましょう。
[1]トヨタ「KINTO」自動車のサブスクサービスは結構ありましたが、世界を代表する自動車メーカーのトヨタが2019年2月から「KINTO」という新サービスで参入したことで再注目されています。プランは「KINTO ONE」と「KINTO SELECT」の2つ。「KINTO ONE」はトヨタブランドの対象車1台を3年間(36カ月間)乗れるタイプで、月額料金は車種によって異なります。「KINTO SELECT」は対象車となるレクサス6種類から6カ月ごとに好きな1台を選び、3年間(36カ月間)乗れて月額料金は定額です。
ちなみにベンツやポルシェ、BMWやボルボなどの海外メーカーもサブスクサービスはスタートしています。高すぎて手が出ない高級車に乗れるというのも車メーカーのサブスクサービスの魅力です。あと、大抵の車のサブスクサービスは、税金や保険、所定のメンテナンス費用などを利用料金に含めていることもメリットでしょう。
[2]キリンビール「キリンホームタップ」ビールサーバーで毎月届く工場直送のキリン「一番搾りプレミアム」を楽しめるサブスクサービス。2017年からスタートしたサービスですが、製造が追いつかなくなりそうな人気で2017年秋には一時中止になったほどの人気サービスです。ちなみに2019年1月中旬から再び会員の募集が始められて(4月から再始動)、抽選という条件付きながら申し込みが絶えないのだとか。価格は月額基本料と4Lのビール代で7500円(350ml換算で約656円)と安くはありませんが、ビール好きなら検討する価値はありそうです。
[3]NextR「ワイクリン」サラリーマンの必需品ともいえるワイシャツを宅配レンタルできるサービス。基本的な流れとして、指定したサイズや柄のワイシャツ20枚を自宅などに配送してもらい、全て着用したら返却して新しいシャツ20枚が届きます。スタンダードプランは「税別1万2800円」(※調査時の9/14時点では、限定価格で初月のみ税別6400円)と安くはありませんが、洗濯やアイロン、クリーニング店の授受がいらないことから、手間は大幅に軽減されること間違いありません。
[4]トラーナ「トイサブ!」知育玩具のレンタルサービスで、隔月4~6点のオモチャが配送されてくるシステム(※借りていた玩具は返却する)。月額料金は関東エリア(※コースで異なる)で「税抜3240円」(※往復送料込み)で、気に入ったオモチャは買取や継続使用もできます。幼児期のグッズは大人になるにつれて使わなくなることを考えれば、利用する価値は高いのではないかと思います。
あと、眼鏡チェーンの「メガネスーパー」も、小学6年生までの〝子ども〟を対象にした月額1000円のサブスクサービスを行っています。こちらは商品が届くのではなく、一定期間フレームやレンズを通常価格より安い特別価格で提供するという内容。子どものうちは視力の度数が変わりやすかったり、眼鏡を破損することも多いので、すごい役立つサービスじゃないでしょうか。
[5]GUBIT「GUBIT」月額980円で掲載されている店舗の1杯目が無料になるアプリ(※1日1杯のみ。15時以降利用)。特定のお店だけしか利用できない一般のサブスクサービスとは異なり、さまざまなお店で利用できるのが強みです。毎月、結構な回数飲みに行くとか、よく利用する店舗が対象になっているという人にとってはかなりお得。リリース当初は首都圏がほとんどでしたが、今後は関西や名古屋などに拡張していく予定だそうです。ただし、提供ドリンクはお店で異なるので、必ず好きなものを選べるわけではありません。
このほかにも、アクセサリーや家具、家電のモノ系のレンタル、医療相談や英会話レッスンのサービスなど、本当に山ほどのサブスクサービスが提供されています。大手チェーンだけではなく、こじんまりとした地域密着の企業やショップなんかでもサブスクサービスを採用していて、ちょっと探せばすぐに見つかるような状況です。ただ、サブスクを利用することが万人にとって100%お得ということはありません。サブスクを利用することで生じる、コスト以外の自分にとってのメリット・デメリットをきちんと把握することも大切になりそうです。(取材・文◎百園雷太)