警視庁が20代男性を誤認逮捕 1人の証言をうのみ 33時間後に釈放

警視庁は25日、新宿署がホテル清掃員の20代男性(ベトナム国籍)を窃盗容疑で20日に誤認逮捕したと発表した。男性は約33時間後の21日夜に釈放され、同庁は男性に謝罪した。万引き事件の防犯カメラ捜査から浮上した人物を特定する際、男性の勤務先の関係者1人の証言をうのみにしたといい、同庁は「裏付け捜査が不十分だった」としている。
同庁によると、8月22日午後5時20分ごろ、東京都新宿区内のドラッグストアで医薬品5点(約3万円相当)が万引きされる事件が発生。店内の防犯カメラに犯人とみられる人物が映っており、新宿署が捜査したところ、事件直後、現場から約400メートル離れたホテルに同じ服装の人物が入っていくのを確認した。捜査員が画像を見せたホテルの関係者1人が男性の可能性を指摘したため、同署は10月20日に窃盗容疑で男性を逮捕した。
男性が否認を続けていたことから、改めて別の複数のホテル関係者に画像を見せたところ、背格好がよく似た同じホテルに勤める別のベトナム国籍の男性が浮上。この男性に事情を聴いたところ、容疑を認めたため24日夜に窃盗容疑で逮捕した。
池田義典・刑事総務課長は「心からおわび申し上げる。今後、このような事案がないよう、より指導を徹底する」と述べた。【松本惇】