文芸春秋、菅首相著書の議事録関連の記述削除についてコメント「特定の文言削除を意図していない」

菅義偉首相(71)が2012年に出版した著書「政治家の覚悟 官僚を動かせ」の新装版として今月20日に刊行された「政治家の覚悟」の中で、公文書保存に関する記述が削除されたとの批判が出ていることに対し26日、出版元の文芸春秋編集部がコメントを発表した。
「―官僚を動かせ」では、東日本大震災発生時に当時の民主党政権が会議の議事録などを残していなかったことについて「千年に一度という大災害に対して政府がどう考え、いかに対応したかを検証し、教訓を得るために、政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です」との記述があった。だが、新装版では同部分が削除されていた。これが、菅氏が官房長官を務めていた安倍政権時代に公文書の改ざんや廃棄が行われたという事実に対して不都合であることが理由では、との見方から、批判の意見が一部で上がった。
編集部は削除の理由について、当該の箇所が菅氏の民主党政権への批判が中心であることから、新装版として出版するにあたり「編集部の判断で収録しない構成案を作成した」と説明。今回、官房長官時代のインタビューを収録するにあたり、全体のボリュームやバランスなどを考えた上で削除の判断をしたもので「特定の文言の削除を意図したものではない」という。
また、菅氏に対しては、新政権誕生のタイミングで構成案を提示。了解を得たもので、批判などについては「事実誤認、誤った解釈」としている。