18年前の留学生殺人、現場の血痕からDNA検出…「コールドケース」洗い直しで

東京都杉並区で18年前の2002年に起きた殺人事件で、警視庁が現場に残された血痕から容疑者のものとみられるDNA型を検出していたことが捜査関係者への取材でわかった。「コールドケース」と呼ばれる長期未解決事件の洗い直し捜査の一環で、このDNA型と合致する人物がいないか捜査を進めている。
事件では02年11月29日、杉並区下井草のアパート一室で中国籍の日本語学校生許振勇さん(当時22歳)が遺体で見つかった。胸や腹を刃物で10か所以上刺され、室内には現金が入った財布が残されていた。容疑者は特定されていない。
捜査関係者によると、現場アパートから近くの駐車場までの路上に血痕が点々と残されていた。血液型は許さんと異なるA型で、負傷した犯人のものとみられていたが、警視庁が昨年、最新の技術で鑑定したところ、DNA型の検出に成功。警察庁のDNAデータベースでは合致する人物は見つからず、今後、交友関係などを捜査するという。
長期未解決事件を巡っては、10年4月の殺人などの時効撤廃を受け、各地の警察が専従捜査班を設置。DNA型が決め手になるケースは多く、東京都東村山市のアパートで08年に当時73歳の女性が殺害された事件でも、警視庁が被害者の爪の中の微物からDNA型を検出し、17年4月に隣室の女を殺人容疑で逮捕した。