大阪都構想消滅 2度目住民投票もアカンかった 吉村洋文府知事、3度目挑戦「ありません」

大阪市を廃止して4特別区を新設する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が1日に投開票され、反対票が賛成票を上回り、2015年5月の実施に続いて否決された。大阪市は24区のまま政令指定都市として存続する。看板政策の実現に尽力した大阪維新の会は事実上のラストチャンスにかけたが、連敗で党存続の危機に。代表の松井一郎大阪市長(56)は「大阪維新の会、僕は終わりです」と2023年春の任期満了での政界引退を改めて宣言し、吉村洋文大阪府知事(45)も追随する可能性を示唆した。
2010年に結党した大阪維新が、政策の「一丁目一番地」に掲げた悲願は、またしてもかなわなかった。
松井氏は「すべて私の政治家としての力不足。結果は民意。しっかりと受け止めたい」と敗戦の弁。「大阪維新の会、僕は終わりです」と改めて23年の市長任期をもっての政界引退を表明した。「二重行政がなくなったわけではない。また府市合わせ(不幸せ)の状況になれば、次の世代に立ち向かってもらいたい」と後進に改革を託すとした。
しかし、その吉村氏も、敗戦で自身の進退については腹をくくった表情を見せた。3度目の住民投票は「僕はもう(挑戦の意思は)ありません。これ以上できることはない。悔いはない」と目を潤ませ“終戦”を宣言。知事としての政治活動も「(同じ23年の)あと2年半の任期は一生懸命やる。その後は満了前にじっくりと考えたい。僕自身の人生もある。政治家を長く続けることに意味があるとは思っていない。維新の会の若いメンバーも育ってきているのでバトンタッチもありかな」と吐露し、松井氏とともに引退する可能性も示唆した。
タレント弁護士として人気だった橋下徹氏(51)が大阪市長時代の前回も約1万票の僅差に泣き、5年半かけてこぎつけた再チャレンジでも涙。今回は昨年の府知事・市長ダブル選の圧勝を民意ととらえた公明の賛成を取り付けて支持拡大を図ったが、高齢者に多いとされる反対の声は覆らなかった。投票率は62・35%で前回(66・83%)より4・48ポイント下回り、開票率98%での票数は前回よりも賛否の差がやや開いた。維新が課題に挙げていた若年層の投票率が伸びなかったことが、一因とみられる。
橋下氏が去った後の大阪維新の屋台骨を支えた2トップが“敗戦処理”の後に引退すれば、目標と求心力をなくした大阪維新の失速は必至。国政政党・日本維新の会の行方にも、大きく影響しそうだ。