ヒグマよ「人里はお前のすみかでない」 うなるオオカミ型ロボ・モンスターウルフ 住宅街で光る赤い目

「ウォー」。ヒグマの出没が急増した北海道滝川市の住宅地で、奈井江町の企業などが開発したオオカミ型ロボット「モンスターウルフ」がうなり声を上げ、ヒグマ侵入に赤い目を光らせている。「住民とのあつれきを避けたい」と市が9月に導入。一般住宅前で使われるのは初めてで、設置以降は周辺では目撃情報はなく、「少なくとも住民への安心効果はある」と関係者をほっとさせている。
オオカミロボットは奈井江町で精密機械を製造する太田精器(太田裕治社長)が北大、東京農大と共同開発し、2016年11月にデビュー。オオカミに似せ、胴体は120センチ、高さ90センチ。獣類など野生動物や人が接近すると赤外線センサーが感知し、首を振ってうなり声を上げ、周囲を威嚇する。農作物を荒らすシカやイノシシなどへの「撃退」対策として道東北から沖縄まで全国で計62台が稼働している。
滝川市では、ヒグマの目撃は数年に1回あるかどうかだったが、今年は5月28日以来、計10件と急増。9月14日には市街地から約6キロ、河川敷から約1キロ離れた住民が「家の窓越しにヒグマが見える」と市に通報。この3日前にも同じ場所で子グマを目撃したとの情報があったことを受け、市が導入に踏み切った。
ロボットは冬眠前の11月初旬まで稼働し、来春以降も「見張り役」を務める。太田社長は「『人里はお前のすみかでない』とヒグマに伝え、人とヒグマの共存にお役に立ちたい」と話す。【渡部宏人】