愛知県の大村秀章知事(60)に対する解職請求(リコール)運動は4日、愛知県内の64の選挙管理委員会に署名が提出された。大村知事への「怒りの民意」の表れといえるが、いまなお、地元メディアの多くは「報道しない自由」を行使しているという。発起人である「高須クリニック」の高須克弥院長(75)は、その存在意義に疑問を投げかけた。
「やっとここまできた。すべて計画通りだ」
高須院長は4日、自信たっぷりにこう語った。
前日夕方から始まった署名の集計作業は、提出の期限となる4日の昼過ぎまで行われ、作業が終了した署名から各選挙管理委員会へ提出された。
「お辞め下さい大村秀章愛知県知事愛知100万人リコールの会」の関係者によると、4日朝時点で、リコール成立に必要な署名(約86万人分)の約8割は見込めそうだという。
ただ、選挙管理委員会から署名の不備を指摘される可能性はある。
リコールの会では近く、各選挙管理委員会が受理した署名数を公表する予定だ。
地方選挙があったため、まだ5市町で署名活動が継続しており、高須院長らは最後の追い上げに全力投球している。
前出の集計作業は「公明正大」を掲げているため、メディアに公開された。地元メディアも集計作業を見守っていた。
ただ、大村知事が多額の税金を投入した昨年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で、昭和天皇の写真をバーナーで焼き、その灰を足で踏みつけるような映像作品などの公開を認めたという、リコール運動のきっかけについては、多くの地元メディアが明確に報じていない。
高須院長は「地元メディアはまったく当てにならない。大村知事には好意的で、僕のニュースは水を差すような話が必ず付随している。(ネットで情報を得る)若い人は地元メディアを信用していない。これでは、衰退していくのは目に見えている」とあきれ返った。
名古屋市の河村たかし市長(72)も「(集まった署名は)大村知事の独裁・独断という手法に、おびただしい数の怒りがあるということ。『日本を大事にしよう』という人々が署名したというのは、日本にとって救いだ。(地元メディアが正確な情報を伝えない中で)これだけの署名が集まったことはすごい」と語っている。