「承諾ない」信用できる=検察側が中間論告―座間9遺体・東京地裁支部

神奈川県座間市のアパートで、10~20代の男女9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交殺人罪などに問われた白石隆浩被告(30)の裁判員裁判の公判が5日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)であり、4~7番目の被害者に関する検察側の中間論告と弁護側の中間弁論が行われた。
被害者は埼玉県所沢市の女子大学生=当時(19)=、同県春日部市の女性=同(26)=、福島市の女子高校生=同(17)=、さいたま市の女子高校生=同(17)=で、いずれも2017年9月に殺害された。中間論告で検察側は、法廷で白石被告が「殺害に承諾はなかった」などと供述した点について、「記憶の有無や濃淡を区別しており、虚偽の可能性もない。十分に信用できるのは明らか」と述べた。
また、被告の供述から、4人の被害者は被告の自宅アパートで首を絞められて失神する際、いずれも抵抗していたと指摘。弁護側が主張する承諾殺人罪は成立しないと主張した。
弁護側は、被告が捜査段階で被害者の1人から「寝たら殺してください」と言われたと供述したのに、法廷では証言しないなど変遷があると指摘。被害者は死ぬことを望んでいなければ「死にたくない」と言うはずなのに、殺害直前にそうした発言もなかったとし、「承諾がなかったと言うには疑問が残る」と強調した。
[時事通信社]