国内の新型コロナウイルスの新規感染者が5日、1050人となった。1000人超えは8月21日以来で、都市部のほか寒冷地の増加も目立つ。再びロックダウン(都市封鎖)などの規制に踏み切った欧州のような事態になるのか。冬場に向けて「第3波」のリスクとその防止策を専門家に聞いた。
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東京都では5日、新たに269人の感染が確認された。重症者数は38人に増え、60代と90代の男性の死亡も報告された。
大阪府も125人の感染と2人の死亡が発表された。検査件数に対する陽性の割合「陽性率」は週平均で10月中旬まで3%台だったが、5日には6・7%まで上昇した。
北海道は最多となる119人の感染を確認。札幌市の繁華街・ススキノなどでクラスター(感染者集団)が散発し、感染経路が分からない人の割合も増えている。宮城県、青森県や福島県でも10月中旬以降、複数のクラスターが発生した。
日本医科大学の北村義浩特任教授(感染症学)は、「『Go Toキャンペーン』など経済振興策と、感染対策のバランスが崩れたと考えられ、今後、流行『第3波』の可能性もある」と語る。
欧州は日本とケタ違いに深刻だ。英国は5日から4週間、イングランド全域で外出規制や店舗閉鎖などを始めた。フランスでは10月30日から全国で外出を原則禁止。ドイツではメルケル首相が医療態勢が「窮地に陥る」と懸念を表明した。
欧州でコロナ感染が拡大している背景について、東北大学災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は、「日本ほどマスクをきちんとせず、生活習慣として握手やハグなど人との接触機会が多いのが原因ではないか」と話す。
北村氏は「新学期シーズンで若年層が動き出したことも背景にあるのではないか」とみる。
日本も冬場にかけて油断は禁物だ。北村氏は「実験室レベルでは、気温20~30度、湿度40~60%という人間にとって快適な環境は、新型コロナウイルスにとっても快適だとされ、暖房と加湿器がついた室内などは格好の環境だ」と解説する。
冬場の感染防止策として北村氏は、「寒くとも窓を常時5センチ程度開けるか、ダウンを羽織るなどして15分に2~3分または30分に5分程度、部屋全体の換気が必要だ。ホームパーティーなども増えると予想されるが一層、注意すべきだろう」と強調した。
米国も感染拡大が止まらないが、日本も欧米のようになるのか。前出の児玉氏は、「国民の大半がこれまで通り手洗いやマスクをしていれば、今後も大きな流行は起こりにくいと考えられる。ただ、私のいる仙台では昼間のマスク着用率がほぼ100%でも、夜の飲食後は7割程度まで低下したように見える。飲み会も増える中、自粛疲れで予防策がおろそかになる懸念がある」と指摘する。
冬場の対策について児玉氏は「空気が乾燥するので飛沫(ひまつ)も水分が奪われ浮遊しがちだ。口や鼻の中も乾燥するので、ウイルスが細胞に付着しやすくなり、感染効率が上がる。これまで以上に手洗いやマスクが重要だ」と語った。