中核派トップ・清水丈夫議長、51年ぶりに姿…見たことある捜査員おらず写真で照合

「暴力革命」を掲げてゲリラ事件を繰り返した過激派・中核派の最高幹部、清水丈夫議長(83)が今年9月、51年ぶりに姿を見せ、集会で演説した。その後も別の集会や同派拠点で確認されており、警視庁公安部が動向を注視し、表立って行動し始めた背景を調べている。
警察庁によると、中核派は1963年、革マル派と分裂して発足。反天皇制や成田空港建設反対を掲げて各地でゲリラ事件を起こし、71年には東京都渋谷区で警官が殺害された「渋谷暴動」を主導した。
捜査関係者によると、清水議長の姿が最後に確認されたのは69年8月。97年に議長に就任したが、その後も、非公然活動家として、集会など公の場に姿を現すことはなかった。
今年9月6日、荒川区で行われた同派の集会で壇上に立ち、活動方針を巡って「混乱が起きている」とした上で、「責任は私にある」と述べた。公安部も姿を確認したが、実際に見たことがある捜査員がおらず、50年以上前の写真と照合するなどして本人と確認した。
中核派は、2003年に千葉県八街市の民家を爆破して以降、ゲリラ事件を起こしていない。ただ、今も約4700人が活動し、労働運動に参加したり、インターネットの動画投稿サイトを通じて若者の勧誘に力を入れたりしている。
昨年夏頃からは、不祥事

隠蔽
( いんぺい ) などで複数の幹部が失脚し、40~60歳代中心の暫定の執行部が指揮を執っているという。公安部は、組織内で活動方針などを巡って対立が生じ、執行部が、清水議長に指導の誤りを認めさせ、混乱を収めようとしているとみている。