北海道内の新型コロナウイルス新規感染者は12日、過去最多となる236人が確認され、計4797人となった。100人を超すのは8日連続。また2人が死亡し、死者は計122人となった。新たに3カ所でクラスター(感染者集団)が発生し、旭川市では院内感染が拡大。道医師会は「第3波」到来の認識を示した。【土谷純一、三沢邦彦】
236人のうち感染経路不明は101人。道独自の「警戒ステージ」は11日現在、引き上げの目安となる7指標のうち「利用病床数」など5指標が「4」の基準に達し、緊張が高まっている。道は12日、道内に確保している病床916床について、十勝管内で47床増やし計963床に拡大する方針を示した。
道医師会の長瀬清会長は札幌市中央区で開いた記者会見で「道内で爆発的に感染者が増えており、『第3波』の波に入っている」と明言。札幌医師会の松家治道会長は、札幌市内で感染者が急増する事態を踏まえ「あと1週間、感染拡大が続くと医療崩壊を引き起こす恐れがある」と危機感を示した。
札幌市では164人が感染し、市内最多を更新。東区の市立栄中で生徒8人が感染し、道内の中学で初めてのクラスターとなり、4クラスを学級閉鎖。同市の専門学校では学生18人と教員2人が感染するクラスターが発生した。また、北部の利尻島では10人が感染し、道内の離島で初めてのクラスターとなった。
死者2人は、札幌市内の90代男性とクラスターが起きている旭川市の民間総合病院「吉田病院」の患者。同院での死者は計4人となった。同院では新たに看護師▽介護士▽患者――各3人の感染も確認され、感染者は計39人になった。
また、クラスターが確認されている札幌市の特別養護老人ホーム「ドリームハウス」(南区)では、入居者1人の感染が新たに判明し、感染者は計57人になった。
新規感染者の内訳は、札幌市のほか、旭川市9人▽小樽市4人▽函館市2人▽十勝管内12人▽宗谷管内11人▽石狩管内10人▽空知管内8人▽胆振管内7人▽釧路管内4人▽後志管内2人▽日高管内2人▽東京都1人。ススキノの接待を伴う飲食店関連の感染は3店で4人増え、計130店461人となった。