地域政党・大阪維新の会は、辞任する松井一郎代表(大阪市長)の後任を選ぶ代表選を21日に実施する。これまでに吉村洋文代表代行(大阪府知事)が立候補の意向を表明。党内からは「吉村世代」の若手議員の出馬に期待する声も上がるが、選挙戦になるかは不透明だ。(藤本将揮)
「維新が新しい一歩を踏み出すなら、公正で民主的な手続きで代表を選ぶことが必要だ」。吉村氏は5日、記者団にこう説明し、代表選の実施に言及した。
これに呼応するように、松井氏も同日、「次は『吉村世代』に頑張ってほしい。我こそはと思う人は手を挙げてほしい」と語った。
維新の代表はこれまで、創設者である橋下徹氏と、後を継いだ松井氏が務めており、代表選を実施したことはない。今月1日の住民投票で「大阪都構想」が否決され、松井氏は代表辞任を表明した。当初は代表代行である吉村氏がそのまま後を継ぐことが当然視されていたが、吉村氏自らがこれに異を唱え、代表選の必要性を訴えた。
21日、維新は大阪市内で住民投票後初となる全体会議を開催。自治体の首長や地方議員、国会議員ら会員計約300人が出席するその場で松井氏の辞任が正式に報告される。代表選の立候補者は会議の前に届け出ることになっている。
立候補が1人だけの場合は会議で承認する。複数の立候補があった場合は、候補者による立会演説会を開催し、全員による投票で代表を選ぶ。
維新関係者は「党が深刻な状況に陥るなか、活発な議論で新しく生まれ変わる姿をアピールする狙いもあるだろう」と話す。
吉村氏は、橋下氏が代表を務めていた2011年4月の統一地方選で市議に初当選した。維新が初めて挑んだこの市議選、府議選で誕生した計48人の新人議員らは「橋下チルドレン」とも呼ばれた。
彼らの中には、都構想の制度設計を行った府・市の法定協議会で委員を務めるなど、中心メンバーになっている議員もいる。松井氏は「覚悟もあるし、誰が代表になっても大丈夫」と太鼓判を押す。
党内からも「若手が出て活発な議論を」との声が上がるが、実際は選挙戦になるかは見通せない。
「吉村世代」の一人の横山英幸府議は「立候補は
微塵
( みじん ) も考えていない。『松井・吉村路線』の延長で吉村さんがリーダーになり、体制を支えたい思いが強い」と話す。
吉村世代とは別のある議員は、複数人が出て党の方向性を議論すべきだ、との考えから立候補を検討してきたが、「都構想の否決で最重要政策と代表を失い、一つにまとまっていくことが大事だと考えた」と見送ることを決めたという。
維新の議員からは「次の看板政策がほしい」との声も多く、維新幹部は「どのような代表選になろうが、挙党態勢を築いて前に進むしかない」と話した。