虐待相談過去最多1832件 奈良・19年度児相対応 「近隣知人」通告急増

奈良県は、2019年度に県内の児童相談所(奈良、大和高田両市にあるこども家庭相談センター)が対応した児童虐待の相談件数が1832件(前年度比7件増)で、過去最多を更新したと発表した。対応件数は増加傾向にあり、県は「児童虐待が社会的な問題となるなどし、相談体制の強化、学校や警察などとの連携強化も件数の増加につながっている」としている。
県の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数は、14年度1567件▽15年度1555件▽16年度1467件▽17年度1481件――と横ばい傾向だったが、18年度に1825件と過去最多を記録し、19年度は更新した。全国の対応件数は10年度から毎年、過去最多を更新し続けている。
虐待の種類別では、言葉による脅しや両親間の面前DVなど心理的虐待が873件(前年度比55件減)で最も多かった。身体的虐待が479件(同33件増)、食事を与えないなどのネグレクトが446件(同29件増)、性的虐待が34件(同増減なし)――と続いた。
虐待を受けた子どもの年齢別では、小学生564件▽3歳~就学前494件▽0~3歳未満370件▽中学生255件▽高校生ほか149件。主な虐待者は、実母が1039件で最も多く、全体の約56%を占めた。実父の659件、実父以外の父親の96件が続いた。
虐待の把握経路では、通告を受けた「警察など」からの連絡が564件と最も多く、次いで多かったのは「近隣知人」で401件。近年、この「近隣知人」からの通告が急増しており、児童虐待への社会的関心の高まりを示している。
県こども家庭課は「『もしかして』と思ったら、ためらわずに相談してほしい」と呼びかけている。中央こども家庭相談センター(0742・26・3788)、高田こども家庭相談センター(0745・22・6079)。【久保聡】