英科学誌ネイチャーは25日付電子版で、名古屋大トランスフォーマティブ生命分子研究所の伊丹健一郎教授(合成化学)らによる論文を、同研究所が撤回したと発表した。実験データの一部に誤りがあった。名大は調査委員会を設置し、不正の有無や経緯、原因などを調べている。
次世代半導体やセンサーとして期待されるシート状の炭素素材「グラフェン」を細長いリボン状にした「グラフェンナノリボン」(GNR)の精密合成に世界で初めて成功したと、2019年6月26日付の同誌電子版に掲載された。
だが結果の一部の再現実験ができず、実験データの誤りや分析機器内で生データの存在が確認できないなどの疑義が生じた。【川瀬慎一朗】