東京・池袋で昨年4月、乗用車が暴走して通行人を次々とはね、松永真菜さん(当時31)と長女・莉子ちゃん(同3)が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長・飯塚幸三被告(89)の第2回公判が3日、東京地裁で開かれた。別の車を運転し、事故を目撃した男性が証人として出廷し「(被告の車は)ブレーキランプがついていなかった」と証言した。
男性は飯塚被告の車が猛スピードで追い抜いていったと説明し「危ないと思った。横断歩道でも止まる気配がなかった」と話した。同様に目撃したオートバイの男性も「減速せず、赤信号の交差点に進入していった」と証言した。
飯塚被告は10月の初公判で「アクセルペダルを踏み続けたことはないと記憶している。車に何らかの異常が発生し、暴走した」と話し、無罪を主張している。
起訴状によると、昨年4月19日昼すぎ、東京都豊島区東池袋4丁目の横断歩道を自転車で渡っていた2人を乗用車ではねて死亡させ、助手席の妻を含む当時2~90歳の男女9人に重軽傷を負わせたとしている。
閉廷後、真菜さんの夫・松永拓也さんが取材に応じ「ブレーキランプのことは大事な部分ですので、証言して下さって感謝申し上げたい。今後、被告側がどういう出方をするか注視します」と述べた。
法廷での飯塚被告は第1回公判に続いて遺族席に視線を送らず。顔は上げたが、事故時の状況を表示するモニターを見ていただけで、表示が終わると視線を下げた。松永さんは「申し訳なさそうな感じもなく、淡々と裁判をこなしている印象でした。私も人間である以上、憤りを感じます」と思いを語った。