福島県田村市の本田仁一市長が今年8月、市内の有権者に、自身が社長を務める市の第3セクター「ハム工房都路」の商品を贈っていたことが2日、わかった。公職選挙法は、首長など政治家が選挙区内の有権者に金品を寄付することを禁止しており、今回の行為も抵触する恐れがある。市長は同日記者会見し、「許される範囲と考えていた。今後のことは司法の判断に委ねたい」と語った。
市内に住む男性は取材に対し、市長から数年にわたって同社の詰め合わせセットを計7回受け取っていたと証言した。男性によると、市長は、数年前から男性宅に贈り物を定期的に届け、男性は昨冬と今夏、酒や果物などを市長に贈った。
今年8月も市長は一人で男性宅を訪れ、「ハム工房都路」の紙袋に入った詰め合わせセットを手渡したといい、男性は「法に触れているのではないか」と不安になり、返却したという。
また、本田市長の後援者の男性は「お中元やお歳暮をこちらから贈ったことはないが、お礼として市長が手土産を持って来たことはある。付き合いがある以上、そういったやり取りは避けられない」と話している。
一方、市長は会見で、今年8月に建設業を営む地区の後援会長から酒などの贈答品を受け取り、「物品の提供を市長として受けたくなかったので、社長として自社製品で返した」と説明した。贈答品を送り返すのが一番いい選択だったと思うとしながらも「角を立てたくなかった。返礼品を贈ることで、利益を受けない、相手に利益も与えないということで、許される範囲と考えた」と釈明した。
また、2017年に市長就任後、年数回、自宅に贈答品が届いたが自分から一方的に有権者に物を贈ったことはないと、寄付を否定。「機械的に自社製品を返礼したに過ぎないとの思いだが、お騒がせして申し訳ない」と陳謝した。