ウーバー配達員による交通事故、責任を負うのは誰? 弁護士が注目する「規約」の盲点

歩行者を自転車ではねてけがを負わせ、そのまま逃走したとして、食事配達サービス「ウーバーイーツ」(Uber Eats)の男性配達員がこのほど、重過失傷害とひき逃げ(道交法違反)の疑いで書類送検された。 共同通信などによると、男性配達員は2020年8月20日夜、東京・池袋で、自転車で走行していたところ、歩いていた女性と衝突した。女性は軽いけがを負ったという。 コロナ禍での巣ごもり需要拡大にともない、ウーバーイーツの利用者は増えているが、その一方で配達員による交通事故などのトラブルも発生している。 別のウーバーイーツの配達員による事故を2020年10月、大阪市の女性会社役員が、ウーバー・ジャパンに対して、約250万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したと報じられている。 この事故では、女性が歩行中、背後から配達員の自転車に追突され、けがを負った。ウーバー側は請求棄却を求めているという。 ●規約「ウーバーイーツと配達員は雇用関係にない」 ウーバーイーツの配達員が配達中に事故を起こしたなら、ウーバーイーツもその責任を負うのが自然なようにも思える。宅配ピザをバイクで配達する従業員が交通事故を起こせば、店舗側にも責任を問うだろう。 しかし、ウーバーイーツと配達員との関係は、一般的な企業における「雇用主と従業員」と同じものではない。 ウーバーイーツの利用規約にあたる「ユーザー条件」には、次のような記述がある。 「貴殿は、Uberがデリバリー等サービスを提供するものではなく、全ての当該デリバリー等サービスはUber又はその関連会社により雇用されていない独立した第三者の契約者により提供されることを了承することとします」 つまり、ウーバーイーツは配達員を雇用していないと明言しており、「雇用主と従業員」の関係にはないと考えているようだ。 雇用関係がないとすると、ウーバーイーツ配達員が事故を起こしても、雇用主ではないウーバーイーツに対して責任を追及することはできないのだろうか。秋山直人弁護士に聞いた。 ●「ウーバーイーツが使用者責任を負うべき」 ウーバーイーツは配達員と雇用関係にないとしているようです。 従業員による損害について、雇用主に責任を追及しようとする場合に考えられるのは「使用者責任」(民法715条)です。「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定されています。
歩行者を自転車ではねてけがを負わせ、そのまま逃走したとして、食事配達サービス「ウーバーイーツ」(Uber Eats)の男性配達員がこのほど、重過失傷害とひき逃げ(道交法違反)の疑いで書類送検された。
共同通信などによると、男性配達員は2020年8月20日夜、東京・池袋で、自転車で走行していたところ、歩いていた女性と衝突した。女性は軽いけがを負ったという。
コロナ禍での巣ごもり需要拡大にともない、ウーバーイーツの利用者は増えているが、その一方で配達員による交通事故などのトラブルも発生している。
別のウーバーイーツの配達員による事故を2020年10月、大阪市の女性会社役員が、ウーバー・ジャパンに対して、約250万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したと報じられている。
この事故では、女性が歩行中、背後から配達員の自転車に追突され、けがを負った。ウーバー側は請求棄却を求めているという。
ウーバーイーツの配達員が配達中に事故を起こしたなら、ウーバーイーツもその責任を負うのが自然なようにも思える。宅配ピザをバイクで配達する従業員が交通事故を起こせば、店舗側にも責任を問うだろう。
しかし、ウーバーイーツと配達員との関係は、一般的な企業における「雇用主と従業員」と同じものではない。
ウーバーイーツの利用規約にあたる「ユーザー条件」には、次のような記述がある。
「貴殿は、Uberがデリバリー等サービスを提供するものではなく、全ての当該デリバリー等サービスはUber又はその関連会社により雇用されていない独立した第三者の契約者により提供されることを了承することとします」
つまり、ウーバーイーツは配達員を雇用していないと明言しており、「雇用主と従業員」の関係にはないと考えているようだ。
雇用関係がないとすると、ウーバーイーツ配達員が事故を起こしても、雇用主ではないウーバーイーツに対して責任を追及することはできないのだろうか。秋山直人弁護士に聞いた。
ウーバーイーツは配達員と雇用関係にないとしているようです。
従業員による損害について、雇用主に責任を追及しようとする場合に考えられるのは「使用者責任」(民法715条)です。「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定されています。