東京・新宿で歩行者を自転車ではねて負傷させ、そのまま逃走したとして、警視庁新宿署が9日、重過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、「キラー・カーン」のリングネームで活躍した元プロレスラー・小沢正志氏(73)を書類送検した。
容疑は10月18日午後5時ごろ、新宿区百人町の路上を自転車で走行中、20代の女性と衝突して重傷を負わせ、救護措置を取らずに走り去った疑い。防犯カメラの映像などから浮上した。署によると、容疑を認め「ぶつかったのは分かったが、そのまま自分が経営する居酒屋に行ってしまった」と話している。
小沢氏が経営する東京・新宿区の「居酒屋カンちゃん」は、この日も営業。詰めかけた約10人の報道陣に対し、業務提携している事務所関係者が「私の不注意から被害者の女性の方にはご迷惑をおかけしてしまい深く反省しております」などとつづった小沢氏のコメントを配布した。
本人も自転車で店に到着し、当時の様子を説明した。JR新大久保駅前の大通りの歩道で、自転車で人の流れを横切って店の方に向かったという。「(人の流れが)やっと空いたから出た。何かにぶつかったが、その後、店に入った。これが逃げたことになるのか」と不服そう。女性と面識はないという。「その3日後に警察が来た。(女性の)『歯が折れている。顔も腫れている』と言われた。写真を見せてくれと言っても、見せてもらえなかった」
現役時代はモンゴリアン・チョップなど巨体から繰り出す豪快な技で“蒙古の殺し屋”の異名を持ち、米国でもトップレスラーとして活躍した。が、この日は一時、店のテーブルに突っ伏して涙する場面も。警察から女性が「私も待ってあげれば良かった」と言っていると聞き「転んだなら、オレも悪かった」「店に来てくれたらごちそうする」などと話したという。
「それで終わったと思ったら、こんな(騒動)になってあ然としている。73年、真面目に生きてきたのに、悲しくなる」。反省コメントとは一転、納得がいかない様子だった。
◆キラー・カーン 本名・小沢正志。1947年3月6日、新潟・西蒲原郡吉田町(現燕市)生まれ。73歳。大相撲を経て71年に日本プロレス入門。73年に新日本に移籍。メキシコ遠征で悪役のテムジン・モンゴルに変身し、米国でキラー・カーンに。アンドレ・ザ・ジャイアントの足を折ったことでトップヒールに。ハルク・ホーガンとの抗争を最後に87年に引退。その後はスナック、ちゃんこ居酒屋を経営。現役時代は195センチ、140キロ。現在は「キラー・カン」表記。