脱ガソリン車 世界の流れに乗り遅れるな

地球温暖化の防止に向け、ガソリン車から電気自動車(EV)などへの転換を目指す動きが世界で急速に広がっている。日本も、官民で対応を急がなければならない。
経済産業省は、2030年代半ばに国内で販売される全ての新車を、EVなどの「電動車」とする目標を打ち出す方向だ。
政府は、温室効果ガスの排出量を50年に実質ゼロとすることを目指している。18年度の二酸化炭素(CO2)排出量のうち16%は自動車だった。ゼロを達成するには電動車への移行が不可欠だ。
英国はガソリン車の新車販売を30年までに禁止し、35年にハイブリッド車(HV)も禁じる。米カリフォルニア州は、35年までにHVを含めて禁止するという。世界最大の市場となった中国は、35年にEVを中心とする計画だ。
世界では米テスラなどがEVの販売を伸ばし、日本の存在感は低い。取り残されれば、基幹産業である自動車産業の競争力が落ち、日本経済に打撃が及ぶだろう。
経産省が定義する電動車には、EVのほか、HVや家庭で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)、水素を使う燃料電池車(FCV)が含まれる。
国内で19年に販売された新車のうち、4割弱は電動車となっているが、その大半はガソリンも使うHVだ。CO2の排出ゼロを目指す以上、支援の重点は、EVやFCVに置くべきである。
その場合、割高な価格の引き下げや、充電や水素の

充填
( じゅうてん ) ができる場所の拡大など課題が多い。
EVの心臓部である電池の技術革新が大事だ。もともと日本の得意分野だった電池は近年、中国勢や韓国勢に押されている。
車の性能に直結するほか、製造コストの約3割を占め、販売価格を左右している。生産や開発への支援拡充を通じ、低価格化や、1回の充電で走れる距離を延ばしていくことが望まれる。
急速充電器の整備は、海外に比べて遅れが目立っている。国主導で設置を加速させてほしい。
FCVは、トヨタ自動車が世界で初めて量産化した。水素技術は日本が強みを持つとされる。水素の供給拠点はまだ少ないが、ルートの決まったトラックやバスなら導入しやすい。効果的な普及策を練る必要がある。
EVが増えても、発電所の温室効果ガス排出を減らさなければ、効果は限定的となろう。再生可能エネルギーの利用拡大や、原子力発電所の再稼働が重要だ。