在日コリアンに逆恨み「ふれあい館を爆破する。」 川崎市の元職員に「重い」実刑判決

横浜地裁川崎支部は12月3日、川崎市の多文化交流施設「川崎市ふれあい館」に在日コリアン殺害や施設爆破を予告したり、学校などに9通の脅迫状を送ったとして、威力業務妨害罪に問われた川崎市の元職員の男性被告人に懲役1年(求刑懲役2年)の実刑判決を言い渡した。 被告人は2019年11月から2020年2月にかけて、在日コリアンの元部下の名を騙り、川崎市内の学校に生徒への性的暴行や殺害を示唆する封書やふれあい館に「爆破する」などと書いた文書を送った。 これによって、学校職員やふれあい館職員の業務遂行に支障を生じさせたとして、威力業務妨害罪に問われた。(ライター・碓氷連太郎) ●”ヘイトクライム”に重い司法判断が 「司法が示した重い判断をもって、ふれあい館や地域の人権回復につとめたい」 被害に遭ったふれあい館の館長として、公判で意見陳述をおこなった在日コリアンの崔江以子(チェ・カンイヂャ)さんは、判決後の記者会見で、静かに言葉を吐き出した。 発端は2019年11月、川崎市内の学校4校に送られた封書だった。生徒を「ざんこくに殺す。」などと記載した封書の差出人のところには、実在する在日コリアンの名前が記載されていた。 そして、12月31日には、ふれあい館に「在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう。生き残りがいたら残酷に殺して行こう。」と記したはがきを、今年1月26日には「ふれあい館を爆破する。」と書いたはがきをポストに投函している。 ふれあい館の職員が最初のハガキを目にしたのは、末年始休みが明けた1月4日だった。 崔さんは今年10月23日におこなわれた意見陳述で、その職員がハガキを見て頭が真っ白になったことや、その後の報道を見た子どもたちが「ねぇぼくたちは殺されてしまうの?」と、おびえた声で話したことに触れている。 さらに、その後の爆破予告により、業務に支障が出たり、地域とともに歩んできたふれあい館が「迷惑施設」と思われてしまうのでないかという、不安と絶望感をぬぐえない日々を過ごしたとも語った。 崔さんは会見で、被告人の犯行が人種や民族差別に基づくものであったとも語った。 「被告人の行為は一過性の威力業務妨害にとどまらず、ヘイトスピーチ、差別を助長するヘイトクライムです。差別のない人権尊重の社会に寄与する『ふれあい館』の意義を毀損する悪質なヘイトクライムにおいて、利用者の負担を思う重い判断が示されました。ふれあい館は差別を生まない土壌つくりの担い手として、より一層、川崎市とともに取り組んでいきたい」 ●「在職中に対応していれば、未然に防げたはず」
横浜地裁川崎支部は12月3日、川崎市の多文化交流施設「川崎市ふれあい館」に在日コリアン殺害や施設爆破を予告したり、学校などに9通の脅迫状を送ったとして、威力業務妨害罪に問われた川崎市の元職員の男性被告人に懲役1年(求刑懲役2年)の実刑判決を言い渡した。
被告人は2019年11月から2020年2月にかけて、在日コリアンの元部下の名を騙り、川崎市内の学校に生徒への性的暴行や殺害を示唆する封書やふれあい館に「爆破する」などと書いた文書を送った。
これによって、学校職員やふれあい館職員の業務遂行に支障を生じさせたとして、威力業務妨害罪に問われた。(ライター・碓氷連太郎)
「司法が示した重い判断をもって、ふれあい館や地域の人権回復につとめたい」
被害に遭ったふれあい館の館長として、公判で意見陳述をおこなった在日コリアンの崔江以子(チェ・カンイヂャ)さんは、判決後の記者会見で、静かに言葉を吐き出した。
発端は2019年11月、川崎市内の学校4校に送られた封書だった。生徒を「ざんこくに殺す。」などと記載した封書の差出人のところには、実在する在日コリアンの名前が記載されていた。
そして、12月31日には、ふれあい館に「在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう。生き残りがいたら残酷に殺して行こう。」と記したはがきを、今年1月26日には「ふれあい館を爆破する。」と書いたはがきをポストに投函している。
ふれあい館の職員が最初のハガキを目にしたのは、末年始休みが明けた1月4日だった。
崔さんは今年10月23日におこなわれた意見陳述で、その職員がハガキを見て頭が真っ白になったことや、その後の報道を見た子どもたちが「ねぇぼくたちは殺されてしまうの?」と、おびえた声で話したことに触れている。
さらに、その後の爆破予告により、業務に支障が出たり、地域とともに歩んできたふれあい館が「迷惑施設」と思われてしまうのでないかという、不安と絶望感をぬぐえない日々を過ごしたとも語った。
崔さんは会見で、被告人の犯行が人種や民族差別に基づくものであったとも語った。
「被告人の行為は一過性の威力業務妨害にとどまらず、ヘイトスピーチ、差別を助長するヘイトクライムです。差別のない人権尊重の社会に寄与する『ふれあい館』の意義を毀損する悪質なヘイトクライムにおいて、利用者の負担を思う重い判断が示されました。ふれあい館は差別を生まない土壌つくりの担い手として、より一層、川崎市とともに取り組んでいきたい」