【独自】水虫薬睡眠剤混入、小林化工側を聴取…福井県警

製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)が製造した爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入し、服用した70歳代の女性が死亡した問題で、福井県警が14日、同社関係者から任意で事情を聞いたことが捜査関係者への取材でわかった。県警は今後も混入に至った経緯や状況の説明を求める方針で、事件性の有無を慎重に見極める。
同社によると、薬は「イトラコナゾール錠50『MEEK』」。服用には医師の処方箋が必要で、今年9~12月に出荷した約9万錠に、1錠あたり5ミリ・グラムの睡眠導入剤成分「リルマザホン塩酸塩水和物」が混入していた。1回あたりの最大投与量の2・5倍にあたるという。
薬の製造過程で原薬の量が減ることがあり、同社の担当者が成分を後で追加する作業を行っていたが、厚生労働省に事前に承認された手順ではなかった。追加した際に睡眠剤成分が混入していたという。県は医薬品医療機器法違反の可能性があるとみて、近く2度目の立ち入り調査をする方向で厚労省と調整している。
14日午前0時現在、健康被害を訴えているのは134人で、うち入院か救急搬送された患者は33人。
問い合わせは同社学術部(0120・093・291)。
服用の男性 「意識途切れ事故」

「疑いもせず飲んでいた。成分が急に変わっていたなんて想像もしなかった」。この治療薬を服用した岐阜県内の配送業男性(33)が読売新聞の取材に応じ、同社への憤りをあらわにした。
男性はアトピー性皮膚炎を患っており、2か月前に同県内の医院で殺菌効果のある「イトラコナゾール錠50『MEEK』」を処方されて服用を始めたが、特段の異常はなかった。睡眠導入剤成分が混入したロット番号の薬を処方されたのは11月28日。翌29日からこれまで通り毎朝食後に2錠を飲み出したが、その日は休日で、強い眠気を感じたものの、「疲れているのか」と気に留めなかったという。
しかし、30日、トラックで配送先に向かう途中で意識が途切れ、一般道の中央線上のポールに衝突。幸いけがはなかったが、割れたライトの破片が対向車のフロントガラスに当たり、ひびが入ったという。男性は「本当に怖い。納得いく説明をしてほしい」と話した。