クリスマスを前に、福岡県春日市の保育園に贈り主不明のサンタクロースの人形や折り紙で作られたおもちゃが届いた。同封された手紙から元園児の親族が園への恩返しに贈ってくれたものだと推察されるが、どこの誰かは分からない。園関係者は「子供たちも喜んでいる。ぜひ名乗り出てほしい」と話している。
荷物が届いたのは、同市の住宅街にある「若竹保育園」。戦後、中国大陸などから引き揚げた沖縄出身者が暮らした「欽修寮」内の教育施設が前身で、地元の子供たちも広く受け入れてきた。後に春日市長を3期務めた亀谷長栄さん(1999年に85歳で死去)が初代園長で、現在はその子供たちが運営している。
11月下旬、出勤してきた保育士が園の前で立っている男性に気づいた。「頼まれた」と手渡された袋の中には、手のひらサイズのフェルトで作られたサンタクロースの人形約80個と、青虫をかたどった伸び縮みする折り紙のおもちゃ約30個が入っていた。
男性は、袋を手渡すと名前を告げずに立ち去ってしまった。ただ、袋に同封されていた手紙から贈り主の人物像は分かった。
欽修寮は70年の火事で市営住宅に建て替えられた。贈り主はその市営住宅に40年前まで暮らし、小学校時代に保育園で遊んだことが手紙に記されていた。そして、貧しくて弟が入園できない可能性があったが、亀谷さんが弟を入れてくれたと感謝がつづられていた。
園では、クリスマス会が終わってから子供たちにプレゼントすることにしている。園を運営する社会福祉法人理事長で亀谷さんの三男正さん(72)は「すべて手作りでこれだけたくさんのプレゼントを贈ってくれた方は初めて。ぜひ子供たちの喜ぶ顔を見てもらいたい」と贈り主に呼びかけている。【中里顕】