京アニ放火 実名公表は「慎重に進めた」 府警1課長が会見

京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオで起きた放火殺人事件で、京都府警は27日、死亡した35人のうち未公表だった25人の身元を実名で公表した。
「大変凄惨(せいさん)な事件。ご遺族の心情を考えれば、大切な人の死を受け入れることは容易ではない」。25人の身元公表が事件発生から1カ月以上たった27日になったことについて、京都府警の西山亮二捜査1課長はそう話し、「ご遺族と、実名に反対している京都アニメーション側の意向を丁寧に聞き取りつつ、葬儀の実施状況などをみて広報の方法と時期を慎重に進めた結果だ」と説明した。
遺族らには先週以降、電話や訪問で要望を聞き、26日に実名公表の方針を伝えた。遺族からは「なぜ実名で公表するのか」「静かにさせてほしい」との声が上がったという。
西山課長は「(理解が得られたかは)人それぞれだが、丁寧に説明を尽くした。(臆測が飛び交うなど)匿名によるデメリットも考慮した」とも語った。今回の対応が同様の事件でのモデルケースになるかどうかについては、「全く分からない。個別で考えることだと思う」と述べた。【福富智、国本ようこ】