秋田県内陸南部を中心に襲った記録的な大雪。除排雪中の事故による死者が相次ぐなど甚大な被害が出ている中、県が陸上自衛隊に災害派遣要請をした湯沢市の現場を7日に歩いた。住民からは、例年にない豪雪への驚きと恐怖の声が上がった。【高野裕士】
「気が遠くなる」
「昨年12月中旬から、1月5日までずっと降りっぱなしだった。12月26日に雪下ろしをしたばかりなのに、もうこんなに積もってしまった」。
湯沢市皆瀬の会社員、高橋三夫さん(65)はそう話した。屋根の上の積雪量は約1・5~2メートルに上っていた。玄関前の除雪作業には、毎日約3時間かかる。
湯沢市には7日から自衛隊が派遣され、倒壊の恐れのある高齢者世帯などの家屋の雪下ろしや除排雪活動をしている。一人暮らしである高橋さん宅には、この日9人の隊員が出向いた。
「雪の重みで家の前の電線も切れたし、屋根も壊れてしまった。約30年この家に住んでいるが、こんなことは今までなかった」。
高橋さんの指先には、グニャリと曲がった1階屋根の端。「そこ、崩れているから気をつけて」。自衛隊員は、屋根の壊れた箇所から転落しないように声をかけ合いながら作業をしていた。高橋さんは隊員に対し、「本当に助かる」と感謝する一方、今後また予想されている大雪に対し「気が遠くなる」とつぶやいた。
高齢者「恐怖感じる」
湯沢市佐竹町では斎藤常太郎さん(84)と敏子さん(79)夫婦が玄関先の除雪作業をしていた。「今日の雪も重い」。敏子さんが手を動かしながらつぶやく。常太郎さんは「70年前からいるが、こんなに雪が多いのは初めて」と驚きを隠せない様子だった。
同じく同市佐竹町の高橋悦子さん(73)は豪雪以降、買い物に行く回数を減らしている。「道の脇に寄せられた雪の壁がすごい高さでずっと続いていて、恐怖を感じた。それ以来リュックを背負ってまとめ買いするようにしている」。この日近所で業者に雪下ろしをしてもらう予定の世帯があったが、予約が立て込んでいるためか、作業はまだないという。
湯沢市では7日午後5時現在で142センチの積雪となっており、平年の約4・2倍。横手市でも156センチで平年の約3・6倍となっており、寒波の影響でさらなる積雪も懸念される。