遺言の日付と押印の日、最高裁「違うだけで無効にすべきではない」」…差し戻し

自筆の遺言書に記された日付と押印した日が異なる場合、遺言が無効となるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は18日、遺言を無効とした2審判決を破棄し、審理を名古屋高裁に差し戻した。同小法廷は「遺言の方式を必要以上に厳格に解釈することは、かえって遺言者の真意を損なう」と判断した。
判決などによると、名古屋市の男性は2015年4月13日、入院先の病院で、同市中心部の3階建ての家屋などを内縁の妻側に贈るとした遺言書を書いて署名。同5月10日に弁護士の前で押印し、その3日後に死亡した。男性の妻側は作成日と押印日に1か月近いズレがあるとして、遺言書は無効だと訴えた。
最高裁は1977年、「自筆の遺言書には、遺言の成立日を書かなければならない」としており、1、2審判決は「遺言は押印によって成立したのに、日付は4月13日付になっており無効だ」と判断。妻側の主張を認めていた。
これに対し、同小法廷は「4月13日の時点で全文と署名が備わっており、押印日が違うだけで無効にすべきではない」と指摘。ほかに遺言の効力を左右する事情があるかどうか、高裁で改めて調べるよう命じた。