11都府県で発令されている緊急事態宣言では、営業時間短縮に応じた飲食店に「1日6万円」の協力金が支給されるが、従わない場合は店名が公表される恐れがある。バーの経営者は「時短には応じられないが、店名公表の影響も予想できない」と葛藤を吐露する。一方、協力金が支払われないゲームセンターは、夜間営業の狙い撃ちに憤った。
政府は飲食店などに営業時間を午後8時まで短縮し、酒類の提供は同7時までとするよう要請。応じた飲食店には1日6万円、月180万円を支給する。要請に応じない場合、自治体は施設名を公表できる。
横浜市中区内でバーを営む男性は、午後10時までの時短営業には応じていたが、同8時までの時短には応じない考えだ。
「午後8時までの営業ではほとんど休業要請と同じだ。酒類提供が中心なので昼に営業すればいいという話ではない。月180万円の協力金は決して少なくはないが、家賃や人件費など維持費を考慮すれば足りるとも言い切れない」と漏らす。
だが、不安もある。「時短や休業の要請に応じないのは初めてなのでどんな反響が起こるか予想できない。常連客にも『午後8時以降も来てほしい』とは言いにくい」と経営者の男性。
「店名が公表されれば批判を受けるかもしれない。客入りが増える結果につながっても、客層の雰囲気は変わるだろう。結局、時短営業せざるを得ない状況になるかもしれない」と迷える心境を明かした。
ゲームセンターやパチンコ店など遊興施設に対しては時短を要請するが協力金は支払われない。午後11時まで営業している東京都内のゲームセンター店長は「協力金が支払われない以上は要請に応じるメリットがない。すでに経営が苦しい以上、休むより感染対策を講じて店を開くほかない」と言い切る。
周辺の店舗では、時短要請に応じている店も増えているというが、店長はこう不満をもらした。
「昼より夜の方が感染しやすいというウイルスの特性はないはずだ。事態が悪化する度に、夜間の営業だけ制限されては持ちこたえられないのは当然だ」