太宰府主婦暴行死 元暴力団員、死体遺棄は無罪 恐喝未遂は有罪 福岡地裁判決

福岡県太宰府市で2019年10月に主婦の高畑瑠美さん(当時36歳)の遺体が見つかった事件を巡り、死体遺棄と恐喝未遂の罪に問われた同県筑後市の元暴力団員、田中政樹被告(47)に、福岡地裁は21日、死体遺棄罪について無罪を言い渡した。高畑さんの夫への恐喝未遂罪は有罪とし、懲役2年、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月)とした。
田中被告は、19年10月20日朝、山本美幸被告(42)=傷害致死罪などで起訴=らと共謀し、高畑さんの遺体を車に乗せて福岡市内から太宰府市内の駐車場に運んだほか、19年8~9月ごろには、高畑さんの夫裕(ゆたか)さん(35)から現金を脅し取ろうとしたとして起訴された。田中被告は遺体を乗せた車に乗っておらず、山本被告から電話で相談を受けただけで死体遺棄罪が成立するかが争点だった。
足立勉裁判長は、高畑さんは車の後部座席に自ら乗り、そのまま死亡したと指摘。車内で遺体を移動させたり物をかぶせたりしていないことから「隠匿するための積極的な動作は何らしていない」として死体遺棄罪自体が成立しないと判断し、田中被告の共謀も認めなかった。裕さんへの恐喝未遂罪は「暴力団員を装って強烈な脅迫文言を告げており、重要な役割を果たした」と非難した。
死体遺棄罪を巡って、弁護側は「山本被告らは車の後部座席に遺体を乗せて走行しただけで、隠す意図はなかった」と主張。山本被告らとの共謀についても否定していた。
福岡地検は「判決内容を詳細に検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応する」とのコメントを出した。【一宮俊介】