名古屋市長選の日程が21日、4月11日告示、25日投開票と決まった。今のところ、河村たかし市長(72)は態度を明らかにせず、出馬表明しているのは、市民団体役員の尾形慶子氏(63)のみ。「脱・河村市政」を目指す市議会各会派は、河村市長の出馬を想定して対抗馬の擁立を急ぐ構えだが、告示まで3か月を切り、残された時間は多くない。
「本格予算を組む以上、2月定例会までには態度を明らかにすべきだ」。今月15日、市役所本庁舎の会議室。新年度予算編成の要望で訪れた名古屋民主市議団幹部はこう迫ったが、河村市長は「なるほどなぁ」とうなずいただけで、心中は明かさずじまいだった。
過去4回の市長選をいずれも圧勝で制している河村市長。国政転出のうわさも絶えない中、進退を問われるたびに「
南無阿弥陀仏
( なむあみだぶつ ) 」などとけむに巻いてきたが、コロナ禍で衆院解散が遠のいた今、「2月定例会で出馬表明するのでは」との見方が有力だ。
今回の市長選で、減税日本を除く市議会の主要会派は「河村市政からの転換」で一致。昨年夏以降、市議会第1党の自民が中心となり、各党・各会派が「相乗り」できる候補者探しが続いている。だが、「出せばいいというものではない。河村市長に勝てる候補でないといけないが、なかなか難しい」(自民市議)。
そうした中、昨年の大村秀章知事に対するリコール(解職請求)運動の行く末が、市議らの間で再び注目を集めている。リコール運動では、不正な署名が多数あった疑いが浮上。河村市長は「応援団」と称し、街頭活動に積極的に参加するなど、署名集めの旗振り役を務めた経緯がある。
署名簿は、各市区町村の選挙管理委員会が調査し、県選管が近く取りまとめるとみられる。複数の市議らは、不正が多数に上った場合、市長選を念頭に、河村市長の責任を追及する構えも見せている。
共産などでつくる市民団体「革新市政の会」も候補の擁立を模索する。同会は前回、自民などが推す元副市長を自主支援した。しかし今回は、年内に衆院選が行われるため、国政で対決する自民と手を組めないという事情がある。共産市議団幹部は「野党共闘を前提とした候補者を立て、名古屋民主の支援を得たい」と語るが、擁立のめどは立っていないのが実情だ。
一方、河村市長肝いりの市民税減税廃止などを掲げる尾形氏は、政党の支援を受けず出馬する見通しだ。