「幻のそば」、ISSへ 福島・川俣の特産品 2月に打ち上げ

福島県川俣町山木屋地区で古くから栽培されている「山木屋在来そば」の種が2月、宇宙へ旅立つ。被災3県の自治体の特産品を国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げるプロジェクトの一環。東京電力福島第1原発事故の影響で一時は生産が途絶えた特産そばが「宇宙そば」となる。
山木屋在来そばは栽培量が少ないことから「幻のそば」と呼ばれ、実が細長く、香り高いのが特徴だ。地区の農家らが協力して栽培を続けてきたが、同地区は2011年4月に計画的避難区域に指定され、多くの農家が農地を手放すことになり、生産者が不在になった。
18年に川俣町仲ノ内そばの会の村上源吉さん(71)らが「山木屋地区のために」と立ち上がり、県農業総合センターに保存されていた4キロの種子から栽培を再開した。20年は1トンの収穫に成功。今年から他のそば農家にも種子を配布し、生産を本格化する。そばは、同地区のそば店「語らい処やまこや」で食べられる。
打ち上げプロジェクトは茨城県の一般財団法人「ワンアース」(長谷川洋一代表理事)が企画。28日に町役場で引き渡し式があった。参加した村上さんは「町の代表として山木屋在来そばの実が選ばれたことを誇りに思う」と喜び、帰還した「宇宙そば」の種は「毎年少しずつだが収量を増やしていくことを目指す」と話した。【磯貝映奈】