国税局が新宿2丁目ゲイバーを2億6800万円所得隠しで初告発 脱税の手口と摘発の決め手

「2丁目のドン」と呼ばれたヤリ手経営者は、業界トップクラスの年間5億円超を売り上げていた――。

東京・新宿2丁目でゲイバーを経営する会社が法人税約6400万円を脱税したとして東京国税局査察部が昨年11月末、「HYフィールド」など2社と経営者の池田幸弘社長(38)を法人税法違反容疑で東京地検に告発していたことが分かった。

池田社長は2012年に「HYフィールド」社を立ち上げ、16年に「HY PLUS」社を設立。新宿2丁目で「GREAT」「Happiness」「EXCEED」の3軒のゲイバーを経営していた。

池田社長は側近の役員に指示して現金で3万円以上の支払いとなった伝票を破棄させ、数千円の伝票に書き換え、売り上げを少なく見せかけていた。隠した所得は、2019年までの3年間で約2億6800万円に上るという。国税当局がゲイバーの経営会社を告発するのは、初とみられる。

「店の従業員の給料は歩合制なので、個人の売り上げを把握しなければ正確な給料を支払えません。3万円以上の支払伝票は廃棄していましたが、経理を担当していた社長の母親が廃棄した伝票の金額をデータで管理していた。現金商売の場合、なかなか摘発が難しいのですが、それが裏付けの証拠となった」(国税関係者)

■隠した金は将来のために投資

脱税で得た資金のうち、約2億円を株式や投資信託、仮想通貨、渋谷のマンションの購入資金などに充て、自身は新宿御苑近くの高級タワーマンションに住んでいた。

池田社長は代理人弁護士を通じ、「水商売の将来への不安から利益を残しておこうと考えた。今後は適切な申告納税をする」とコメントを発表した。貯めた金で不動産を取得し、将来は不動産収入で生活する計画を立てていたようだが、国税当局は、昨年2月ごろから内偵調査を行っていた。

「店は以前から、『観光バー』という位置付けでした。LGBTといったガチのお客さんではなく、どちらかといえばノンケや女性向けの店です。ゲイ専門店だと一見さんにはかなりハードルが高いですが、あの店はSNSで店の様子を発信するなど、気軽な雰囲気をアピールしていた。だから観光のついでや、話のタネにって感じで気軽に立ち寄れます。マニアックな客だけでは、こんなに売り上げは伸ばせませんよ。芸能人もチラホラ出入りしてたらしいし、かなり儲かってたと思う。周りがやっかんでいたとしてもおかしくない」(2丁目関係者)

これだけ目立っているのに、バレないとでも思ったのか。ヤリ手の割には「税金対策」はお粗末だった。