交番襲撃事件、被告の両親が遺族に謝罪「取り返しのつかないことした」

富山市で2018年、警察官ら2人が殺害された富山中央署奥田交番襲撃事件で、強盗殺人罪などに問われた元自衛官島津

慧大
( けいた ) 被告(24)の裁判員裁判の第6回公判が28日、富山地裁であった。被告の両親は証人尋問で、「私どもの息子がこのような重大事件を起こし、取り返しのつかないことをした。本当に申し訳ありません」と遺族に謝罪した。
両親はそれぞれ

遮蔽
( しゃへい ) 板で覆われ、傍聴席からは見えない形で尋問に臨んだ。最初に証言台に立った母親は冒頭、「親としてどうしていいか分からないが、まずおわびしたい」と述べた。父親は「(遺族には)最愛の人を亡くし、申し訳ないという言葉しか出てこない」とわびた。
尋問では、被告の発達障害に関する質問が相次いだ。検察側は初公判の冒頭陳述で、発達障害の犯行への影響は「限定的」とする一方、弁護側は「様々な影響を与えた」と主張していた。
両親によると、被告は中学入学後、いじめに遭うようになり、2年時からは不登校になった。この頃から家族に暴行を加えたり、自宅の壁を壊したりしていた。中学卒業直後には、両親とも被告に殴られてあばら骨にひびが入るけがを負ったほか、同居の祖母や姉も殴られたことがあったという。
母親は当時、集団行動になじめず暴力を振るう被告の発達障害を疑って精神科医に診せたが、診断名は付かなかった。被告の発達障害を認識したのは事件後の精神鑑定だったといい、「自分がちゃんとした対応をできていたら、こんなことにはなっていない」と悔やんだ。
事件後、母親の面会に応じた被告は、「自分の訓練不足だった」と述べるなど事件の反省点を挙げ、遺族への謝罪の言葉はなかった。また、取り調べを行う検察官について「殺してやる」と話し、敵意を抱いているように感じたという。
被告は初公判から一度も言葉を発しておらず、この日もじっと前を向いたまま両親の証言を聞いていた。
次回公判は29日で、被告人質問が行われる。