長野県が制定を検討している「障がい者共生社会づくり条例」(仮称)の周知のためのテレビCMについて、県は2日、説明不足で誤解を招いたとして放送を一時差し止めると発表した。1月31日に放送を始め、新聞折り込みでも広報誌を配布した後、当事者らから賛否両論が寄せられた。
県は民放4局のテレビCM(30秒)で、二つの考え方の「モデル」を紹介した。「個人モデル」は「障がいは、本人の努力で乗り越える」、「社会モデル」は「障がいがあっても参加できる社会をつくる」と説明。最後に「THINK! NAGANO MODEL 障がいのある人もない人も、安心して暮らせる社会へ」と締めくくる。同内容の広報誌は64万部発行した。
県広報県民課と障がい者支援課によると、同条例の趣旨は後者の「社会モデル」に基づくが、県民に広く「長野モデル」の共生社会のあり方を考えてもらうきっかけづくりのため、対照的に二つのモデルを紹介した。県の担当者は「あえて目指す方向を提示せず、説明の文章も必要最小限にした。これまでの行政の広報は文章が説明口調。当たり障りがなく読まれずにスルーされる」としている。
一方、県広報県民課には「県は『個人モデル』に戻ろうとしているのか」「文字が少なく読む気になり、考えさせられる」など16件の賛否両論が寄せられた。県は「不快の念を感じた方に、心よりおわび申し上げます」と陳謝。テレビCMを一時差し止め、補足説明の字幕を付け足して再放映する予定だ。【島袋太輔】