重篤化しやすい高齢者
東京都内の新型コロナウイルス感染者で1月に死亡が確認された259人のうち、感染経路が判明している154人の半数が病院内での感染だったことがわかった。多くが重症化しやすい高齢の入院患者。都はクラスター(感染集団)が起きた病院や高齢者施設に疫学調査チームを派遣するなど、対策を強化している。
無症状から次々
「無症状者から広がるウイルスの特性を思い知らされた」。1月に患者と職員計50人以上のクラスターが発生し、約10人が院内感染で死亡した都内の病院幹部の男性は語る。
この病院では昨年春から、新型コロナ患者の受け入れを始めた。一般病棟と完全に分け、入院日が決まっているコロナ以外の患者にも2週間前から会食を禁止し、発熱の有無などを確認するチェックシートの記入を求めた。救急患者らにも検査を行い、ウイルスが侵入しないよう対策を取ってきた。
しかし、1月上旬に一般病棟の看護師1人の感染が判明。この看護師と接触した人らに検査を行うと、職員や複数の病棟で患者の感染が次々に明らかになった。無症状の患者が診療で院内を移動したことなどにより、感染が広がったとみられる。職員の自宅待機も相次ぎ、コロナ患者の受け入れを中断せざるを得ない状況に追い込まれた。
医師や看護師が患者の家族から、「なぜ病院内で感染するんだ」と詰め寄られることもあるという。男性は「申し訳なく思うが、必死にコロナと闘う医師や看護師が責められるのは、つらい。二度とクラスターが起きないよう、対策を徹底する」と話す。