厚生年金、中小企業にも 保険料負担の支援も 厚労省懇談会

会社員らが加入する厚生年金の短時間労働者への適用拡大に向け議論してきた厚生労働省の懇談会は20日、強制適用の対象となる従業員規模の要件を「501人以上」から引き下げるべきだとの報告書を大筋でまとめた。同時に、保険料を負担する中小企業にも配慮して、段階的な対応や支援の必要性も指摘した。今後、政府・与党は来年の法改正に向け、具体的な改正内容の議論を本格化させる。
厚生年金は本来フルタイムの会社員が対象だが、2016年に従業員501人以上の企業で、週20時間以上働き、月収が8万8000円以上のパートなど短時間労働者にも適用を拡大している。
短時間労働者が厚生年金に加入できれば、老後に基礎年金(国民年金)に加えて厚生年金も受け取れる。一方、年金保険料は労使折半で負担増につながる中小企業には強制適用への抵抗感が根強い。
現在の企業規模要件は法律上、激変緩和のための経過措置との位置づけだ。報告書は「本来的な制度のあり方としては撤廃すべきもの」と指摘した。
企業規模要件とは別に「週20時間以上」との労働時間要件と、「月8万8000円以上」との月収要件の引き下げは、企業規模要件に比べ見直す緊急性が低い点が指摘された。
このため、政府・与党は年末に向けて企業規模要件の引き下げを中心に検討を進める方向だ。中長期的に「撤廃」への道筋をどう付けるかも焦点となる。中小企業への新たな支援策も検討する。
今回の報告書を踏まえ、同省は社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会で改正内容を議論する。また、政府の全世代型社会保障検討会議でも議題となる見通しだ。【横田愛】