名古屋市中区の飲食店勤務、岡田亮祐さん(当時28歳)が殺害された事件で、殺人や死体損壊などの罪に問われた元人材派遣会社実質経営、野間裕司被告(33)の裁判員裁判の初公判が8日、名古屋地裁(斎藤千恵裁判長)であり、野間被告は起訴内容の認否を黙秘した。弁護側は無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で「仕事でトラブルになった岡田さんを恨み、殺害を計画した」と指摘。共謀したとされる男らに指示して岡田さんを誘拐し、殺害場所のマンションや遺体処理に使った刃物も準備したと述べた。
弁護側は他の男らとの共謀は成立していないと主張。「殺害もせず、遺体も燃やしていない」として無罪を訴えた。
起訴状によると、野間被告は他の男3人と共謀して2018年2月23日、岡田さんを名古屋市東区のマンションに誘拐し、手首や足首を縛って監禁。23~24日に何らかの方法で岡田さんを殺害し、別の男と共謀して切断した遺体を愛知県稲沢市でドラム缶に入れて焼いたとしている。
共謀したとされる男4人は死体損壊や生命・身体加害目的誘拐などの罪でいずれも有罪が確定している。【井口慎太郎】