アップルやマクドナルドの日本法人社長を歴任した「プロ経営者」が、17歳年下の妻をゴルフクラブで殴打とは驚いた。
妻で歌手の谷村有美さん(55)に暴力を振るったとして6日、日本マクドナルド元社長の原田泳幸容疑者(72)が暴行の疑いで警視庁渋谷署に逮捕された。
原田容疑者は5日、東京都渋谷区の自宅で妻の腕や足を練習用のゴルフクラブで数回殴ったとされる。妻は内出血のケガを負い、6日午前2時ごろ、自ら通報。原田容疑者は容疑を否認している。「家庭内の案件」だからか、立件を見送る可能性が高いからか、警視庁は事件の具体的な中身をほとんど公表していない。
■アップル社長時代に谷村有美さんと結婚
メディアから「プロ経営者」と、もてはやされた原田容疑者の経歴はピッカピカだ。東海大工学部を卒業後、日本NCR、横河・ヒューレット・パッカードを経て1990年、アップルコンピュータジャパンに入社。97年に代表取締役社長、米国アップルコンピュータ社副社長に就任した。
その後、04~13年、日本マクドナルド会長兼社長兼CEOなど、14年から2年間、ベネッセホールディングス会長兼社長を務めた。現在は、タピオカなどの販売を手掛ける「ゴンチャジャパン」の会長兼社長兼CEOに就いている。アップル社長時代の02年に谷村さんと結婚し、05年に長男が生まれた。
原田容疑者はマクドナルドの社長就任後、無料キャンペーンや100円マックなどをヒットさせ、「原田容疑者マジック」と称賛され、V字回復を遂げた。しかし好業績は長く続かず、顧客が低価格に慣れ、客単価が下落。3期連続の赤字に陥り、事実上クビに。汚名返上を図ったベネッセでも進研ゼミの会員減少に歯止めがかからず、就任後わずか2年で引責辞任に追い込まれている。
金融関係者が「バブル崩壊直後なら、彼の手法も通用していたかもしれませんが……」と、こう続ける。
「結局、彼がやってきたことはリストラです。プロ経営者は株価を戻すのが第一義的なミッションなので、どうしてもすぐに結果の出るリストラに走りがちです。ただ、それだけだと無理がたたり、中長期的な改善には結びつきません」
■近所付き合いもなく…
原田容疑者の一家は5年ほど前、代官山にほど近い高級住宅地に豪邸を建設。家族3人で暮らしていた。
近隣住民がこう言う。
「ご主人だけでなく、一度もご家族をお見かけしたことがありません。引っ越しされた際も、挨拶にも来られませんでしたし、近所付き合いもありません」
70歳を越えた元カリスマ経営者が、17歳年下の有名人の女房をゴルフクラブでブン殴ったとなれば世間の信頼は失墜。仮に立件を免れたとしても、晩節を汚すことになりそうだ。