自民大阪府連 新会長人事先送り 身内も「末期症状」とあきれ顔

自民党大阪府連は8日の総務会で、新会長人事を先送りし、原田憲治副会長(72)=衆院大阪9区=を会長代行に選任した。新型コロナウイルス下での深夜会合発覚により、大塚高司前会長(56)=衆院大阪8区=が1日に突然辞任。逆風が吹く中、次期衆院選に向けた組織の立て直しは急務だが、決められない府連幹部に対し、身内の地方議員ですら「末期症状だ」とあきれている。
この日の総務会では総務会長に杉本太平府議(44)を、選対委員長に太田房江参院議員(69)を選任した。総務会長は府議団の団費を私的流用したとして、奴井(ぬい)和幸府議(55)が昨年11月に辞任してから空席となっていた。
会長不在の事態について、原田氏は記者団に「一日も早く解消したい」と述べ、今週中にも府連所属の国会議員で候補を決める考えを示した。ただ複数の地方議員は「すぐに決めてほしかった」と嘆く。
新会長は当初、5日に国会議員が候補を内定し、8日に選考委員会と総務会を開いて正式に決める予定だった。しかし5日の国会議員の会合で、若手から「時間をかけて決めてほしい」との慎重意見が出て、人選を見送った。
関係者によると、大塚氏らの不祥事をめぐり、各議員は地元で激しい批判にさらされている。次期衆院選で、自民は府内19選挙区のうち14選挙区で日本維新の会と対決する見込みで、府連幹部は「大阪では保守の受け皿として維新がある。自民府連存亡の危機だ」と焦りを隠さない。
なかでも衆院当選2回の若手6人はいずれも政務官を務め、地元に頻繁に戻れない事情もあり、選挙を見据えてトップの人選に神経をとがらせているようだ。ある幹部は「不祥事の後にすぐに会長も決められないのかといわれてしまう。恥ずかしい話だ」と語った。